１４ ページ14
.
静かなキッチンで、3人分の冷麦の用意
“買い物に行ってきます。母より”
そんな張り紙がある冷蔵庫
ため息を一つついて、氷の入ったコップに麦茶を注ぐ
．
こんな形で、隆弘くんに
真司郎とのこと知られるなんて
母『彼女の家に泊まってくるって』
本当に彼女なんているの？
私と真司郎のこと、いつから知っているの？
あなたは、何を考えてるの？
．
麦茶を運びながら、ぐるぐると頭の中で考える
暑さで目眩がする
．
それに...
隆弘くんが自分から真司郎を家にあげるなんて
一体、何を企んでるの？
2人がいる居間の前で深呼吸して
中に入ろうとすると、聞こえて来る会話
隙間から少し覗き見ると
机を挟んで座る二人が見えて
胡座をかいてリラックスする隆弘くんと
正座をして座る真司郎
ﾐｰﾝﾐｰﾝﾐｰﾝﾐｰﾝ
真「あの...、お兄さん」
真「夏休みに、一度海でお会いしたんですけど...」
真「俺のこと覚えて...」
隆「覚えてるよ」
真司郎の言葉を遮るように隆弘くんの言葉が部屋に響く
口調は穏やかでも
声色が、鋭く恐ろしい
隆「...忘れるもんか」
隆弘くんは、ただ黙って真司郎を見つめるだけ
．
陸「あっ、兄ちゃん！！」
緊張感のある空間に
私の後ろから、双子が走り抜けてくる
隆「遊、陸、おかえり」
遊「カノジョんちから帰ってきたんだね！」
陸「カノジョんちで何してたの！」
隆「それは内緒だよ(笑)」
真「弟くん、お兄さんにそっくりですね(笑)」
陸「だれ〜？」
隆「Aの彼氏の真司郎くんだよ」
真「こんにちは」
遊「おれ知ってる！Aちゃんいってた！」
陸「Aちゃんと兄ちゃんに恋人なんて〜って母ちゃんいってた！」
陸くんと遊くんのおかげで
張り詰めた空気が、一瞬で変わった
遊「あそび行ってくる！しんじろう、ばいばい！」
真「じゃあな〜」
.
戻ってくる思い沈黙
それを破ったのは、真司郎だった
真「あの...なんでAだけ“ちゃん”？」
真「Aもお兄さんのこと、隆弘くんって...」
.
隆「あぁ、まだ真司郎くんに言ってなかったんだね？」
隆「...おいで、A」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
り ょ う な な ＊(プロフ) - また宇野ちゃんのセリフ「読んでくる」になってます！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
Raichi(プロフ) - すごく世界観に引き込まれます！これからも楽しみにしてます！本当に大好きな小説です！ (2018年3月13日 22時) (レス) id: 4945e2470c (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - No way backも大好きですがこの作品も同じくらい大好きです(*^^*)更新いつも楽しみにしているのでこれからも頑張って下さい！！ (2018年3月13日 20時) (レス) id: 3834e8eb4b (このIDを非表示/違反報告)
り ょ う な な ＊(プロフ) - ななさん» いえいえ(*´`*) これからも応援してます♪ (2018年2月27日 18時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
り ょ う な な ＊(プロフ) - 更新頑張ってください(*´`*) (2018年2月27日 18時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なな
| 作成日時：2018年1月5日 19時
