心の距離【Kei.I】4th

1時間30分 ページ9

Kei Side

Aから俺を咎めるような言葉が急に出てくる。


たしかに昨日の俺は彼女にそう言われても仕方の無い事をしてしまったかもしれない。



だけどそれは誤解で彼女以外の女の子を家に入れたことなんて1度もない。


Aのその誤解をどう解こうか必死になって頭の中でその方法を考える。

 

だけど

 
下手なことしてもよくないとすぐに気づく。

 

そして俺と向かい合って座っている彼女を見る。

躊躇いながら下を向いて気まずそうにしている彼女に言葉を掛ける。


「ここじゃゆっくり話せないからとりあえずソファー行こっか。」


彼女からの返事がくるまで少し間が空く。


そして


「ん。わかった。」


 
彼女は俺の目を見ず答えて立ち上がる。
 

とりあえず彼女が逃げずに俺の話を聞いてくれることに安堵する。

俺は彼女を隣の部屋へ連れて行く。


 

そして移動する時に彼女とのタイムリミットを確認する。


「この部屋何時に出たら会社に間に合うのかな？」


彼女がこの家を出るまでになんとか誤解は解きたい。


だからなるべく長く留まってほしいと思ってしまう。

 

「一旦家に戻らないとだから5時半かな。」

 

今の時刻を思い出して残りの時間を確認する。

 

俺に残された時間はあと1時間30分。

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