心の距離【Kei.I】4th

他の女の子 ページ8

「えっ？」

伊野ちゃんは私の質問に戸惑いを浮かべる。


今日は聞かない方がいいかもって思ってた。


体調が悪いのに余計に嫌な気分にさせてしまうと分かる質問だから。



だけど彼からの『わがまま』って言葉を聞いたらさっきまでの聞かない方がいいなんて気持ちはすぐに無くなってしまった。


そして心の中で思うこと。

『伊野ちゃんはそのわがままを何回他の女の子にしているの？』


彼は私に純粋な友達になってくれるって言ってくれた。


その言葉は信じたい。


昨日だって何もなかった。



だけど昨日の夜中に私の知らない彼の一面を見てしまった。


『伊野ちゃんには純粋な女の子の友達なんて本当は必要ないのかもしれない』


それを見て昨日の夜中から彼に対してこんなことを思ってしまっている自分がいる。





私の質問に伊野ちゃんは戸惑いを浮かべたまま返事は返ってこない。



だけど気持ちは収まらずに口が勝手に動く。


「あのね。

余計なお世話かもしれないけど・・・

伊野ちゃんのお仕事的に女の子がお部屋に泊まるのは友達でもあんまりよくないかなぁと思って。」


他の女の子にモヤモヤしてるなんて言えない。

だからもっともらしい理由をつけ私が投げ掛けた質問の意図を説明する。



私の言葉に彼の身体がビクッとする。



『やっぱり他の女の子の友達も泊まりに来てるんだ』



その反応を見て私の予想が確信になる。


二人の間に訪れる沈黙。


だけど


それを破るのはやっぱり彼だった。

1時間30分→←風邪とは違う熱

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