番外編:ずっとドキドキ(3) ページ50
心がざわざわしてるまま寝室に逃げ込みさっき気づいたことが自分の中に仕舞いきれずに口から出てしまう。
「私と伊野ちゃんお揃いだったんだぁ。」
そしてその恥ずかしさからフローリングに座り込みお揃いで着ていたパーカーの袖を再び握る。
昨日彼からこの部屋着を渡された時はそれどころじゃなくて全然気づかなかった。
そして
「はぁ。遠慮しちゃった。」
本当は伊野ちゃんが自分のものをくれるって言ってくれて嬉しかった。
でも彼とお揃いのものをもらうのに照れてしまって遠慮してしまった。
それに対して少し後悔してしまう。
そして心のざわつきを落ち着かせながら着替えと身支度を済ませる。
全て終ったのが彼の家を出る5分前。
伊野ちゃんが居るリビングに急いで戻る。
「あっ。お仕事モードだねぇ。」
ソファーに身体を預けて座っていた彼が起き上がり私の姿を見てゆるく微笑む。
思えばさっきまですっぴんを見られていたからそれもまた恥ずかしくなる。
そして
借りてた部屋着を彼に渡しながらお礼を伝える。
「これありがとう。
本当は洗濯して返したいんだけどなかなか会える機会がなくて逆に迷惑になっちゃうからそのままで大丈夫かな?
ごめんなさい。」
私から渡されたものを伊野ちゃんは両手できゅっと抱き締めるように受け取る。
「ありがとう。
そんなに気を遣わないでいいから。
それに俺の方がお世話になったし。」
そして私はさっき言えなかったことを伝える。
それは伊野ちゃんをしゅんとさせてしまったお詫びのような言葉。
「あのね。 このパーカーお気に入りになったの。
伊野ちゃんのお家に今度遊びに来れたらまた貸してね。」
初めて伝えることで恥ずかしくて彼の顔を見れない。
だけど私の言葉で彼が喜んでいることが空気が変わったことで分かった。
そして柔らかい声で私の言葉に返してくれる。
「うん。いつでも遊びにきてね。
Aなら大歓迎だから。」
それを聞いて嬉しいけど少し照れてしまう。
この家に遊びに来れるのもきっと彼が大学を卒業して少し落ち着いたらになるかも。
それでも彼からの言葉が社交辞令じゃないのは彼も私との時間を大切に考えてくれてるって知ってるから。
そしていよいよ彼の部屋を出る時間。
私と伊野ちゃんは一緒に玄関へ向かう。
そして彼に最後の確認をする。
「本当に今日の夜は来なくて大丈夫?」
『ずっとドキドキ』 End
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☆☆さお☆☆(プロフ) - naaさん» コメントありがとうございます。 自分の書いたお話しを楽しんでいただけていてまた更新を頑張ろうと思います。 言葉の使い方ですが二人の清い雰囲気を出す為自分でも気をつけている点なのでそのようなお言葉をいただけてとても嬉しいです。 (2018年2月15日 20時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
naa(プロフ) - 凄い楽しくて何より言葉の使い方がとても綺麗なので読んでてて心地よくなります!これからもゆっくり頑張ってください!更新楽しみにしてます。 (2018年2月15日 14時) (レス) id: dce36abc3b (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» コメントありがとうございます。 とても嬉しくお話しを書く励みになります(>_<) お話の方も頑張って更新していきたいと思います。 (2018年2月14日 21時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - すっごく面白いです! キュンキュンします! 更新楽しみにしてま~す! (2018年2月13日 23時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆☆さお☆☆ | 作成日時:2018年2月11日 1時