数えられない ページ45
Kei Side
Aは子供みたいな声で俺を呼ぶ。
「ねぇ。伊野ちゃん」
「うん？
なぁに？」
俺の返事を聞いてから彼女は繋いでいる手に力を込め俺の胸にすり寄ってきた。
今までなかったその行動に動揺する。
だけどそれよりも次の彼女の言葉が俺をもっと動揺させた。
「伊野ちゃんはっ
ずっと友達でいてくれる？」
Aは俺の気持ちに気づいていない。
この質問は俺が他の男の人と違うって言ってほしいからしてるんだと瞬時に悟る。
『嘘つきな俺でごめんね。
こんな俺知ったらきっと嫌いになっちゃうよね。
だって
俺は君を怖がらせた男の子と同じ気持ちを抱いているから。』
心の中で彼女に謝る。
俺の中で２つの気持ちが同時に出てくる。
『好きな気持ちは隠すからまだ友達でいたい
でも
男として俺のこと見てほしい』
相反する気持ちが交差している。
そして
まだ友達でいたいからきみに何度目かわからない嘘を吐く。
大好きなきみに俺は何回友達という嘘を伝えただろう。
Aの身体をしっかり抱き締めながら彼女を安心させるため自分の気持ちを偽ってそれを伝える。
「だいじょーぶ。
ずーっと友達だから安心して。」
そして頭を撫でてあげると俺の言葉に安心したのかAは寝てしまった。
「いっぱい泣いたから疲れちゃったね。
ゆっくり休んでね。」
寝ているAをしばらく抱き締めてその温もりを忘れないようにする。
そしてまるで眠り姫みたいな彼女の頬をそっと撫でる。
最後に彼女を抱き締めながら起きてる時に絶対に言えない言葉を小さな声で呟く。
「大好きだよA。」
するとタイミングよくリビングに来客を知らせる音が鳴る。
「思ったより早かったなぁ。」
誰が来たかなんてすぐに分かる。
だってさっきから彼女の携帯が何回も震えてるから。
「もう安心だね。 A。」
寝ている彼女に優しく伝えてソファーに寝かせてブランケットを掛ける。
さっき鳴ってからそんなに時間は過ぎてないのにまた鳴るチャイムの音。
その間隔の短さで押した人の焦りが分かる。
俺は立ち上がり何も言わずにオートロックの解除ボタンを押した。
そして来客を迎えようと玄関まで歩き始める。
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☆☆さお☆☆(プロフ) - naaさん» コメントありがとうございます。 自分の書いたお話しを楽しんでいただけていてまた更新を頑張ろうと思います。 言葉の使い方ですが二人の清い雰囲気を出す為自分でも気をつけている点なのでそのようなお言葉をいただけてとても嬉しいです。 (2018年2月15日 20時) (
レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
naa(プロフ) - 凄い楽しくて何より言葉の使い方がとても綺麗なので読んでてて心地よくなります！これからもゆっくり頑張ってください！更新楽しみにしてます。 (2018年2月15日 14時) (レス) id: dce36abc3b (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» コメントありがとうございます。 とても嬉しくお話しを書く励みになります(>_<) お話の方も頑張って更新していきたいと思います。 (2018年2月14日 21時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - すっごく面白いです! ｷｭﾝｷｭﾝします! 更新楽しみにしてま~す! (2018年2月13日 23時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆☆さお☆☆ | 作成日時：2018年2月11日 1時
