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決めてたこと ページ41

躊躇いながら伊野ちゃんは私に訊ねる。



「山田は? このこと知ってるの?」


答えずらい質問にどう返答しよか迷うが素直に答えてしまう。


「涼ちゃんには言ってないの。」


彼が表情で「どうして?」と訊ねてくる。


「あの。 今ドラマの撮影中だから。

私のことで心配掛けたくないの。」


演技のお仕事は集中力が必要だから私のことで弟の邪魔をしたくない気持ちが大きくて未だに言えていない。



「山田はAが言わないと余計心配しちゃうと思うよ。


今日も仕事中は普通だったけど休憩中とかちょっと元気なかったし。」


「そうだよね。」

彼の言葉が正しすぎて何も言えない。


私がいつ弟に話そうか迷っているとその心を察してくれる。


「落ち着いたら電話でもいいから連絡しようね?

言いづらかったら電話するとき俺も一緒に居るから。」

「ありがとう。 伊野ちゃん。」

彼の優しさに胸がいっぱいでこれ以上の言葉が出ない。


「怖かったよね?

いきなり知らない男の子に好きって伝えられたこと。

それだけならまだしも腕掴まれて自分が思ってもいないこと勝手に決めつけられて言われて。」


私の言えなかった気持ちを伊野ちゃんは代わりに言葉にしてくれる。



「でもそれは私が悪いの。

私がちゃんと最初から断らなかったから。

期待させるようなことしたから。」


本当に私が悪かったのか今でもわからない。

だけど自分を責めないと心の中で落とし所がなくなってこの出来事が宙に浮いてずっと私の胸に居座りそうになる。


だけど


その言葉に彼は私の心を癒してくれる言葉をくれる。

「そんなことない。

自分のこと責めなくていいから。

したつもりのないことを自分の気持ちに嘘ついてまで本当のことにしなくていいんだよ。」


どうして伊野ちゃんはこんなにも私の気持ちが分かるの?


彼がこの家に入る前に決めていたことがあった。



「今日は伊野ちゃんの前では泣かない」



いつも彼を困らせてるから今日は泣かないで彼を安心させたかった。


だけど


そんなことは無理だった。


伊野ちゃんは私と同じ気持ちになってくれた。

それだけで彼が伝えてくれた受け止めるって言葉が本当だったんだなって思える。


そして彼は私が安心する言葉をたくさんくれた。


優しさに触れてまた伊野ちゃんに救われる私の心。


「いのちゃんっ!」


気づけば決めたことなど守れなくて涙が自分の意思じゃ止まらなくなっていた。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 山田涼介   
作品ジャンル:恋愛
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☆☆さお☆☆(プロフ) - naaさん» コメントありがとうございます。 自分の書いたお話しを楽しんでいただけていてまた更新を頑張ろうと思います。 言葉の使い方ですが二人の清い雰囲気を出す為自分でも気をつけている点なのでそのようなお言葉をいただけてとても嬉しいです。 (2018年2月15日 20時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
naa(プロフ) - 凄い楽しくて何より言葉の使い方がとても綺麗なので読んでてて心地よくなります!これからもゆっくり頑張ってください!更新楽しみにしてます。 (2018年2月15日 14時) (レス) id: dce36abc3b (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» コメントありがとうございます。 とても嬉しくお話しを書く励みになります(>_<) お話の方も頑張って更新していきたいと思います。 (2018年2月14日 21時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - すっごく面白いです! キュンキュンします! 更新楽しみにしてま~す! (2018年2月13日 23時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆☆さお☆☆ | 作成日時:2018年2月11日 1時

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