言いたくても言えない ページ28
私の言葉に涼ちゃんはテンションが上がる。
「おめでとう！
いつから？
どこで知り合ったの？」
友達が出来たという報告なのに弟から出る質問は彼氏が出来た時にするものと変わらない。
一気に女子トークになっていく。
弟はニコニコしながら私の答えを待っている。
「えっと。半年くらい前かな。
朝の電車が一緒で色々偶然が重なって友達になれたの。」
私の返事に不思議な顔をする。
「偶然って何？」
その質問に答えるのに間が出来てしまう。
「あのね。
その人と友達になりたいって思えるような出来事が色々あったの。」
「そっか。
Aが友達になりたいって思った出来事ならきっと素敵なものなんだね。」
私の曖昧な回答でもそれ以上追及しようとしない優しい弟。
そしてまだまだ質問は続く。
「歳はいくつ？
何してる人？」
「今年22歳で大学生なの。」
嘘はついてない。
アイドルていう捕捉事項をちょっと抜いただけ。
「22歳なら今4年生？
大学忙しいんじゃない？
伊野ちゃんも大変そうだもん。」
弟からの『伊野ちゃん』という言葉にもう心臓が持たなくなりそう。
『私の友達はまさにその伊野ちゃんなんです』
言いたくても言えないもどかしさ。
心臓がものすごく早く鳴っているのを頑張って落ち着かせて冷静に答えようとする。
「うん。すっごく忙しくて友達だけどまだ数えるくらいしか会ってないの。」
「そっかぁ。
仕方ないことだけど寂しいねぇ。」
「うん。
でも電話とかメールしてるから平気なの。」
実際会えないけど連絡は頻繁に取り合ってる。
それに頑張ってる伊野ちゃんに軽々しく会いたいなんて言えない。
そして、涼ちゃんはにっこりと笑顔で無茶なことをお願いしてくる。
「Aのお友達会ってみたいな！
今度会うときに俺も一緒に会っていい？」
『涼ちゃんは私よりも頻繁に会ってるからそんな必要もないよ。』なんて言えない。
「あっ。友達ね人見知りだからもう少し時間が経ってからかなぁ。」
「そっかぁ。」
残念そうな顔をする弟。
『次伊野ちゃんに会った時にもう涼ちゃんに私達のこと話していいか相談してみよ。』
そう心に決めたときに弟に私と伊野ちゃんの友達関係を言えなくなるような言葉が出てくる。
「でもAの友達が芸能人じゃなくてよかったぁ。」
彼はすごく安心した顔をしてそれを私に伝えた。
それはどういう意味なの涼ちゃん？
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☆☆さお☆☆(プロフ) - naaさん» コメントありがとうございます。 自分の書いたお話しを楽しんでいただけていてまた更新を頑張ろうと思います。 言葉の使い方ですが二人の清い雰囲気を出す為自分でも気をつけている点なのでそのようなお言葉をいただけてとても嬉しいです。 (2018年2月15日 20時) (
レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
naa(プロフ) - 凄い楽しくて何より言葉の使い方がとても綺麗なので読んでてて心地よくなります！これからもゆっくり頑張ってください！更新楽しみにしてます。 (2018年2月15日 14時) (レス) id: dce36abc3b (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» コメントありがとうございます。 とても嬉しくお話しを書く励みになります(>_<) お話の方も頑張って更新していきたいと思います。 (2018年2月14日 21時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - すっごく面白いです! ｷｭﾝｷｭﾝします! 更新楽しみにしてま~す! (2018年2月13日 23時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆☆さお☆☆ | 作成日時：2018年2月11日 1時
