似て非なるもの ページ26
弟はニコニコしながら年始の楽しみを口にする。
「あー温泉楽しみだなぁ。
美味しいものいっぱい食べようね。」
旅行の時は特別なのかさっきの体型維持の
ことがなかったようになっていることに
笑みがこぼれてしまう。
彼の顔を見て私も旅行が楽しみになる。
そして注文していたものが運ばれてきて二人でそれを食べながら旅行の計画を相談していた時にその会話が聞こえた。
それはドキッとする内容で近くのテーブルから当然耳に入ってくる。
「えっ！
それで男友達の家に泊まって一緒のベッドで寝ちゃったの？」
いつぞやの伊野ちゃんと自分との状況と重なる会話に耳が敏感になる。
そのテーブルをちらっと見ると女子大生くらいの女子グループ。
自然とその会話に集中してしまう。
「まぁ、向こうがお酒に酔ってて帰らないでって言われちゃって断れなかったんだよねぇ。」
『私もお願いされて帰れませんでした。』
お酒に酔ってではないが同じような状況に声の主に心の中で共感をする。
でもその先の展開は私と声の主で違っていた。
「で？ 一緒に寝て何もなかったの？」
声の主の友達は興味津々で質問をする。
内容が内容なだけに声を潜めるかと思った。
だけど彼女達は話が盛り上がっているようで声が大きい。
テーブルは離れているはずなの声がよく聞こえる。
すると耳を塞ぎたくなる言葉。
「何にもなかったわけないじゃん。
だって男女が一緒のベッドで一夜を過ごしたんだよ。」
声の主が自分のことなのに恥ずかしがることもなくむしろ武勇伝のように語る。
『何にもなかった人ここにいますよ。
本当の友達は何もないですよ。』
彼女達の会話に心の中で教えてあげる。
そして声の主とその男友達の関係は私達と正反対の道を辿っていた。
「でもぉ、そのあと気まずくなって結局友達関係が微妙になっちゃったんだよねぇ。
今は連絡とってないの。」
私は伊野ちゃんの家に泊まった時を思い返し今の会話と照らし合わせる。
そしてちゃんとした友達関係を彼と築けていることを再確認して彼が信頼できる人なんだって改めて思った。
だけど、私は何も無いと分かってても特別な事情がない限り彼の家には泊まらないと心に決めている。
それを思い出していると涼ちゃんが口を開く。
「はぁ。女の子が男友達の家に泊まるなんてありえないよ。」
伊野ちゃんとのことを考えていた時に目の前の弟がため息と共に出した言葉に固まる。
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☆☆さお☆☆(プロフ) - naaさん» コメントありがとうございます。 自分の書いたお話しを楽しんでいただけていてまた更新を頑張ろうと思います。 言葉の使い方ですが二人の清い雰囲気を出す為自分でも気をつけている点なのでそのようなお言葉をいただけてとても嬉しいです。 (2018年2月15日 20時) (
レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
naa(プロフ) - 凄い楽しくて何より言葉の使い方がとても綺麗なので読んでてて心地よくなります！これからもゆっくり頑張ってください！更新楽しみにしてます。 (2018年2月15日 14時) (レス) id: dce36abc3b (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» コメントありがとうございます。 とても嬉しくお話しを書く励みになります(>_<) お話の方も頑張って更新していきたいと思います。 (2018年2月14日 21時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - すっごく面白いです! ｷｭﾝｷｭﾝします! 更新楽しみにしてま~す! (2018年2月13日 23時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆☆さお☆☆ | 作成日時：2018年2月11日 1時
