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身体の距離 ページ13

「くっつきたい」

その言葉と共に伊野ちゃんは私の胸に顔を埋め腕は私の身体を抱き締めた。



『まって。まって。

これはダメだよ伊野ちゃん!』


驚きすぎて声にならない心の叫び。


初めて男の子に抱きつかれるという状況になってパニックになる。


混乱の中で私の腕は少しの抵抗をする。


それに対して彼は顔を埋めながら可愛く怒る。


「ん。A離れちゃダメなの。」


そして、彼が私の存在を確かめるように身体に回す腕の力をさっきより少し強くする。


そしてそのまま、彼はまた夢の中へ戻った。



伊野ちゃんの苦しそうな寝息が貸してもらったTシャツを通して肌に当たる。

初めての経験でただただその息遣いを肌で感じていることしかできない。



だけど寝ている彼にもう1度今度は言葉と一緒に腕から抜けるようにしてみる。


「やっ。ねっ伊野ちゃん。

こんなのダメなの。」


だけどやっぱり男の子。

私の力だと全然びくともしない。



抱きつかれていることで彼の頭が私の鼻の近くにあって彼から香る同じシャンプーの匂いがする。


それに加えて熱で高めの体温にドキドキする。



『たしかに今日は甘えてもいいよって言っちゃったけどこんなことまで予想してないよ。』



だけどこれは熱のせいだって思い込む。


本当は大きな声を出したりすれば伊野ちゃんは起きてくれたかもしれない。


だけどそれが出来なかった。


だって私の胸に顔を埋めた彼は苦しそうな表情から幸せそうな寝顔に変わったから。


その顔を見たら無理に彼の腕から抜け出すなんて出来ない。



『熱が出ちゃった弟が甘えてきただけ』



この夜は伊野ちゃんを友達じゃなくて
弟と思ってドキドキしながらも私はそのまま目を瞑る。



だけどそれとは反対なことも同時に思う。



彼の行動があまりにも自然過ぎて伊野ちゃんの経験値の高さを抱きつかれながら気付いてしまう。



『ねっ。伊野ちゃん?

こういうこと他の女の子にもしてるの?

この先も?』





彼に詳しく話してない昨日の夜中のことを思い出していた。

素直になれない→←真夜中の出来事



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 山田涼介   
作品ジャンル:恋愛
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☆☆さお☆☆(プロフ) - naaさん» コメントありがとうございます。 自分の書いたお話しを楽しんでいただけていてまた更新を頑張ろうと思います。 言葉の使い方ですが二人の清い雰囲気を出す為自分でも気をつけている点なのでそのようなお言葉をいただけてとても嬉しいです。 (2018年2月15日 20時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
naa(プロフ) - 凄い楽しくて何より言葉の使い方がとても綺麗なので読んでてて心地よくなります!これからもゆっくり頑張ってください!更新楽しみにしてます。 (2018年2月15日 14時) (レス) id: dce36abc3b (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» コメントありがとうございます。 とても嬉しくお話しを書く励みになります(>_<) お話の方も頑張って更新していきたいと思います。 (2018年2月14日 21時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - すっごく面白いです! キュンキュンします! 更新楽しみにしてま~す! (2018年2月13日 23時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆☆さお☆☆ | 作成日時:2018年2月11日 1時

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