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素直な彼と心閉ざす私 ページ9
気まずくなる空気。
それを変えるように
口を開くのはやっぱり伊野尾さんだった。
「俺、今日すっごく楽しかったよ。
元気になったAちゃん見れたし。
きみのこといっぱい知れたし。
それと
さっき、俺との時間が楽しいて
言ってもらえて嬉しかった。」
何も言えず頷くだけの私。
「あとね。
大学生の俺のこと知りたいって
言ってくれたのも
めちゃくちゃ嬉しかった。」
彼の素直な気持ちを聞き
私も本音が出そうになる。
そして最初の時と同じように
彼のペースに飲まれそうになる。
それに抗おうとするも彼はまた私を
自分のペースに引き込もうとする。
「でも、もう会えないんだよね？」
彼の質問に下を向きながら答える私。
「ごめんなさいっ。
会えません。」
「だよねぇ。」
その返答を聞き彼の中でも私とは
今後会わないと決まったと思っていた。
だけど、それは間違っていた。
彼のこの言葉は次の一手に出る合図だった。
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作者名：☆☆さお☆☆ | 作成日時：2018年1月4日 1時
