番外編(1) ページ47
女の子がたくさんいる職場は安心する。
だけど時々すっごく困ってしまう時がある。
「はぁ。
山田くんカッコいいなぁ。」
お昼ご飯のあと、お茶を飲んでいたときに
隣から私が動揺する発言。
それを聞き口に含んでたお茶を吹きこぼしそうになった。
「げほげほ」
「Aさん大丈夫ですか！？」
隣で私がお茶を吹きこぼすくらのことを言った後輩ちゃんが心配そうに私を見る。
「げほ。
うん。ごめんね。
大丈夫だから。」
私の状態には構わず、
同じく一緒にお昼を食べていた別の子が彼女の発言を広げる。
「えっ？
もしかして山田くんてHey!Say!JUMPの？」
「そうなんです！
もう大好きです！
山田くん以外のメンバーも！
見てください先輩方！ 昨日発売した雑誌。
JUMP君達みーんなカッコいいですよ。
あっ。皆さんはどの子が好きですか？」
彼女は嬉しそうに彼らが表紙を飾っている
アイドル誌を皆の前に広げた。
その紙面を見てみんな彼女の質問に
ノリよく答えていく。
『早くこの話が終わりますように。
私に話が振られませんように。』
私は心の中で一刻も早くこの話題が終わるのを静かに祈る。
だけど私の祈りは通じなかった。
「Aさんは誰がいいですか？
あっ！同じ名字だから山田くんとか？？
そういえば、Aさんの今日の服装山田くん好みですね！」
『何でピンポイントでそこ！？』
たしかに今日の服装は私の弟の
山田涼介くんが選んでくれた。
私は弟のセンスに絶対の信頼を寄せていて
大切な用事がある時の服はほとんど
弟に選んでもらったものを着て行く。
「あっ。えーっと。
山田くんはちょっと年が離れすぎててイマイチ
かなぁ。
服も偶然だよきっと。」
『ごめんなさい。涼ちゃん。』
心の中で弟に謝る。
私の答えを聞き彼女は考える。
私が答えるまで諦めないみたい。
「そしたらBESTのメンバーですかねぇ。」
すると私のことを良く分かってる同期の女の子が彼女を助ける発言をする。
「Aは男らしい人は苦手だから中性的な子がいいんじゃない？」
それに対してぱっと顔が輝く後輩ちゃん。
「じゃあ！
伊野ちゃんがぴったりですね！」
もはや、この話を早く終わらせるために
雑誌を見ながら話を合わせる。
「たしかに！
顔も女の子みたいだし伊野ちゃんかな！
本物に会ってみたいなぁ」
そして皆が伊野尾さんのインタビューに目を向ける。
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作者名：☆☆さお☆☆ | 作成日時：2018年1月4日 1時
