心の距離【Kei.I】 Second (ページ19)

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皆の気になるおねぇさんページ19

山田からの予想外の言葉。

軽く思考が停止して
皆から遅れてリアクションする。

「おねぇさんが料理作ってくれるなんて
やっぱ山田のところ仲いいねぇ。」

『おねぇさん』

自分で発しときながらしっくりこない。

俺にとってはもう『山田のおねぇさん』
じゃなくて『Aちゃん』だから。

彼はまたシスコンとからかわれるのが
嫌でAちゃんが家に居ることを
言いたくなかったのだろう。

顔を赤くさせている。

そして山田の言葉を聞いて
知念がまた彼を慌てさせることを言う。

「ねぇ？

それって僕たちも一緒に行っちゃダメ？」

彼の突然の発言に驚き止まる山田。

「ごめん。

今日はちょっと難しいかな。」

それはそうだ。

男性恐怖症の姉に自分と同じグループの
男の子たちを会わせるわけにはいかない。

話がAちゃんの話題になる。

「そういえばさぁ。

山田のお姉さんて顔見たことないよな」

「たしかに。

コンサートとかでも楽屋
に来たことないんじゃない。」

大ちゃんが話に入り薮もそれに加わる。

そして大ちゃんが明らかに
Aちゃん目的なのに
もっともらしい言葉で再び
山田にお願いする。

「ね。

山田のお祝いもしたいしさ
俺達も行っちゃダメ？」

返答に困っている山田を見て
俺が助け船を出す。

「でもさぁ

山田もおねぇさんも二人でゆっくり
お祝いしたいかもしれないじゃん。

邪魔するの悪いから俺も行くし
三人でご飯行こ？」

この言葉を聞き山田が驚いて俺を見る。

『いやいや。

たしかに俺はお前のこと
あんまり助けたりしないよ。

だけどいくらなんでも驚きすぎだよ。』

そして

知念が俺とのご飯に食いついてきた。

「いのちゃんが行くなら今日は
涼介の家はいーや」

大ちゃんも乗ってきて三人で
ご飯に行く流れになった。

だけどここで俺らの予想外の展開が起こる。