君にロックオン！【青根高伸】 (ページ5)

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5.泥酔の再会ページ5

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少し足元がふらつく。

「武居さん、大丈夫？俺、駅まで送るよ」

「いや、大丈夫です。お疲れさまでした」

私は傘を探した。

「この傘、武居さんの？今日雨の予報出てないよね」

真坂さんが傘を手にしていたので、私は無言で傘を奪う。

「それ、男物でしょ」

真坂さんの言葉を無視して、駅へ向かった。

「やっぱ送るよ、心配だから」

なんでこの人は私に着いてくるんだろう。
やっぱり私は神様に嫌われている。
こんなとこ、金谷さんに見られたら私の会社の中での立場はどうなるのよ。

「金谷さんと、付き合ってるんじゃないんですか」

「え、付き合ってはないよ。まあ、気に入られてるとは思うけどね」

真坂さんは明るく笑っている。

「あの………金谷さんは先輩なんで……」

「俺に優しくされたら金谷さんが怖いってか」

図星を言われて少し焦った。
でも、なんだか残念だ。
自分が年下の男の子が気になっているからだろうか。
年上女性と付き合ってる真坂さんの好感度が上がっていたのに。

「俺、年上タイプじゃないからさ。年下の女の子方が好き」

「そうですか」

駅の近くまできて、ようやく真坂さんから逃れられた。
年上だからってなんだ。
たかが5歳や10歳。大人だろうと
幼稚な人は幼稚なんだ。
私が、会いたい人は一人しかいない。
ホームの灯に照らされた大きな体。
1ヶ月ぶりに見たその姿はまったく変わってはいなかった。

「待って……待って！」

名前も知らないその男の子。

「ねぇ………君。名前を教えてよ……」

私はまた、腕をつかんでいた。

「………酔ってる」

男の子はぼそりと呟いた。

「酔ってるよ！飲み会だったんだもん！大人はねぇ………飲まなきゃやってられないんだよ！」

「危ない」

彼はしっかりと私の肩を抱いた。

「ホームに落ちたら危ない……」

「そこまで酔っぱらってないよっ！！」

やがて電車が来て
無言の彼と一緒に、私は電車に乗り込んだ。