君にロックオン！【青根高伸】 (ページ32)

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31.三年目の……？ページ32

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入社して3年目。
同じ課の同じチームに後輩も入った。
………が。先輩って想像以上に大変だ。

「武居くん！！ここの数字間違ってるじゃないか！」

ガミガミ係長が私に怒鳴る。

「あの……それ、吉川さんのやった書類なんですけど…」

今年入った新人の女の子。まだまだ初歩的なミスが多い。
こんな雷上司相手に、大丈夫かな。

「あっ………すみませぇん………間違えちゃって…」

後輩が謝りにくると同時に係長の表情が変わる。

「なんだ、吉川くんが作った書類だったのか。じゃあ仕方ないな」

…………はいーっ！？！？
私が新入社員の時はもっと怒鳴ったよね！？
なんで吉川さんには…っ？

「納得いかない……なんでっ」

昼休み。机にうつ伏せて愚痴る私を
歩ちゃんは心配そうにしてるけど、真坂さんはゲラゲラと笑っている。

「あの怖い係長も可愛い新人には甘いんだね、意外だったわ。まぁAちゃんはしっかりしてそうだから、厳しくしても凹まないって思われてるんじゃないの」

「ほんと、男の人って若くて可愛い女の子に弱いんだから……真坂さんも同類ですね」

歩ちゃんは真坂さんを睨む。

「歩ちゃんだってまだ若いじゃん。それに俺は吉川さんよりAちゃんの方が可愛いと思っ……」

「はいはい。Aちゃんトイレいこー。真坂さんはほっといて！」

私は歩ちゃんに引っ張られて、その場を離れる。

「後輩に手を焼いてるところ、なんなんだけど。話があって」

歩ちゃんは声をひそめた。

「どうしたの？」

「まだ、会社の人には言ってないんだけどね…私、子どもが出来たの！」

鎌先くんと結婚してもうすぐ3年。
やっと歩ちゃんと鎌先くんのところに、赤ちゃんがきたんだ！！！

「えっ！すごい！おめでとう！！」

私は歩ちゃんに抱きついた。

「青根くんにも教えても大丈夫？」

「むしろ伝えておいてほしい！靖くんあんまり後輩と連絡取ったりしてないみたいだし。
そういえば、青根くんは元気？」

「うん、相変わらずだよ」

相変わらず私は青根くんと付き合っている。
なんだかんだもう3年。
今はお互い社会人で、あの頃みたいに気にするものはなにもない。
……はずなんだけど。
3年も付き合えば、いろいろあるわけで。