君にロックオン！【青根高伸】 (ページ28)

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28.ブーケトスの行方ページ28

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式が終わって、会場の中庭に移動した。
今日は凄く天気もいい。

｢中曽根さん、凄い綺麗だったね｣

同期の江藤さんに話しかけられる。
歩ちゃんは、普段はあまり化粧っけがなく、素朴な女の子だ。
今日はいつもとは違うメイクを施されていて
純白のドレスに身を包んでいて
その美しさに同性ながら少しドキッとしてしまった。

｢幸せな日だから、ってのもあるのかなぁ｣

大好きな人との、人生の門出だから。
そんな幸せな笑顔だから、より美しく見えるのかもしれない。

｢これより、新婦歩さまよりブーケトスを行います。幸せのおすそ分けをもらいたい方はぜひ前に来てください」

ウエディングプランナーの女性がアナウンスする。

｢これ、受け取ったら次結婚できるってやつだよね？行く？？｣

江藤さんに声をかけられる。
次、結婚…。
これは流石に高校生の彼氏も参列している中では取りに行きづらい。
オロオロしていると、歩ちゃんと目が合ってしまった。
彼女は嬉しそうに微笑んでいた。
前に行かないのも失礼か、と思い少し足を進める。
ただのお祝いごとの、イベントだから…。

後ろを向いた歩ちゃんが、ブーケを投げた。
ブーケは私たちの頭の上を、ずっと遠くへ飛んでいく。

(歩ちゃん、力強っ！！)

女の子たちが集まる場所を遠く過ぎて
ブーケを受け取ったのは…青根くんだった…。

｢何受け取ってんだ青根！！！！｣

鎌先くんが叫んだ。

｢ぷ……ぶはははは！お前花束とか似合わなさ過ぎ！！｣

隣の男の子も爆笑している。
ウケてるから、これはこれでアリ、なのかな。
しかし確かに、花束って……言っては悪いけど強面の青根くんには本当に似合わない。
青根くんはつかつかと前へ歩き出し
花束を私に差し出した。

｢え！？｣

｢……やる｣

こ、これは……。

｢青根くん、それってプロポーズ？｣

歩ちゃんが笑いながら言った。