君にロックオン！【青根高伸】 (ページ17)

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17.失恋の痛みページ17

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今日は仕事が休みの日曜日だけど
歩ちゃんと約束のスイーツバイキングに来ていた。

「靖くんの職場、建設会社なんだけど
そこの受付嬢だってさ！どうせ顔が可愛いからほいほい惚れちゃったんだよ！ほんとあり得ない！！」

いつも優しい歩ちゃんが荒れていた。
でも変な話だけど、こんな姿を見せてくれるようになって少し嬉しい気持ちもある。

「そんな高嶺の花好きになったって………叶わないのに。いつか絶対……後悔するのに……」

「今日はとことん食べて発散しよ！カラオケ行っちゃう！？」

ああ。歩ちゃん、まだ彼のこと好きだな。
憎まれ口を叩いているようでも
話しぶりから愛情が分かってしまうから、また切ない。

「無理しないでね」

私は歩ちゃんに言った。

「まだ彼氏のこと好きなんでしょ？無理して忘れたり、嫌いになる必要ないと思うよ」

すると歩ちゃんは急に泣き出した。

「うん………まだ好き……大好き………」

カラオケの中でよかった。
大きな声で泣いても聞こえないから。

「あいつ……バカなんだよ……好きな人が出来たなんて……黙っておけばわからないのに
嘘はつきたくないからって、バカ正直に私に言っちゃうんだよ……」

「彼のそういうところが、好きなんだね」

歩ちゃんの背中を撫でながらそう言うと、歩ちゃんはまた泣き崩れた。

「Aちゃん、ありがとう。友達は皆、そんな男忘れて他に彼氏作れって言うの……。
でもやっぱり私、靖くんが好きなんだもん……」

「そんな簡単に、忘れられなよね」

ずっと付き合っていた人なら尚更だ。
二人で涙が枯れるまで大声で歌った。
私も久々に、友達と遊べて楽しかったな。