検索窓
今日:6 hit、昨日:13 hit、合計:91,721 hit

7.始まりのcall ページ7

.


力も筋肉も相当ありそうだけど
流石に抱えられたままの移動は恥ずかしいので、二人で並んで歩いた。



「私ね、ずっと青根くんに会いたかったの」



そう言っても、彼はなにも答えない。
まあ、いきなりこんなこと言われたって困るか。



「いつ会えるかわからなかったから……ずっと傘、持ってた」



また次会えるかどうかなんてわからない。
だから返事してもらえなくても
話したいんだ。



「青根くん……」



彼の名前を呼んで、顔を覗き込んだ。



「なんて言えばいいかわからない」



そう呟いた彼の顔は、真っ赤だった。
あれ、もしかして………照れてる?



「あの………また、会えるかな?」



家の前まで送ってもらって
ドアの前で彼に問いかける。



「多分……会える」



まだ顔が真っ赤だった。



「そっか………そうだね」



助けてもらうのはもう3回目だ。



「今度、お礼をさせてよ」

「礼はいらない…」



やっぱり、こんな風に言ったって高校生の男の子にはわかってもらえない。
お礼なんて、口実なんだ。



「お礼………じゃなくて。私が君にまた会いたいだけなの。ダメかな?」



そう言うと、彼は私の手をぎゅっと握った。



「多分……じゃなくて、また会える」



青根くんは、自分の携帯を差し出した。



「番号………ここに入れてくれ」



ガタガタと手が震えている。
これってもしかして………。
私は携帯を手に取り、自分の番号を押してコールした。



「電話番号。登録しといてね………」



すごく無口だけど。真っ赤になったりガチガチに緊張してたり
なんだ、結構素直でわかりやすいところもあるじゃん。



「おやすみなさい」



そう言ってドアを閉めると
彼はまた小さく頷いた。

8.日常と非日常→←6.不思議な二人の時間



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (243 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
175人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - ねこみやさん» ありがとうございます♡ (2月8日 23時) (レス) id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや(プロフ) - まじで最後が尊すぎてめちゃくちゃ涙出ました尊すぎて( ; ; ) (8月27日 20時) (レス) @page41 id: 3ca32de087 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーちゃんさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます! (2023年4月26日 1時) (レス) id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん(プロフ) - 泣きました。 (2023年4月26日 0時) (レス) @page41 id: 0002bb722b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - mooさん» お褒めのコメントありがとうございます! (2022年6月26日 23時) (レス) id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年6月14日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。