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＊
ひとあしさきにテレビ局をあとにしたという翔くんはタクシーでここまでかけつけてくれたらしい。
ハルと翔くんはお互いに「はじめまして！！」をいいあっている。
わたしはそんなふたりのあいだにはさまれ、首をかしげながらきいた。
「えっと… なにが、どうなって…？」
現状が理解できずにいるわたしをみて、ハルはにっと笑った。
「タネあかしは、みんながそろってからでいいでしょ」
みんな…？
そのとき翔くんがおもむろに車道へ足をむけた。
翔くんが手をふりながら路肩に停車した１台のくるまに近づく。
それは、白のＳＵＶだった。
＊
わたしはハルと翔くんとならんで後部座席へ。
助手席にはニノ。
運転はもちろん相葉くんだ。
「Aちゃん、テレビちゃんとみてくれたー？
オレ、きょう、めっちゃはりきっちゃったー！！」
うひゃひゃと笑いながらもていねいにハンドルをさばく相葉くん。
「演出もね、松潤が考えてくれてねー
もうばっちりきまったってかんじだよね！！」
気がついたら外の景色は都会のネオンにつつまれていた。
どこにむかっているのかもしらされないまま、ルームミラーごしに天使の笑顔をふりまく相葉くんにわたしはあいまいに笑ってうなづいた。
そんなわたしに気がついたニノはふうっとちいさく息をはくと、せわしなくうごかしていたゆびをとめ、ぱたりとゲーム機をとじる。
「…まあ、事務所からは大目玉くらうでしょうがね」
わたしはそのことばに座席からとびあがるほどの衝撃をうけた。
「えええ？！！
お、お、おこられちゃう？？！！！」
身をのりだしてニノの顔をのぞきこんだ。
「まあ、そうなるでしょうね
我々が勝手にやりましたから」
わたしはあせって今度は翔くんの肩をつかみ、ゆさゆさゆらしながらさけび声にも似た悲鳴をあげる。
「みんなおこられちゃう？！！
おこられちゃうよねえ？！！
どどどどーしよう？？！！！！」
「ははは、ちょっとAちゃんおちついて」
「A、うるさい…」
「Aさん、うるさい」
「うひゃひゃひゃ！！」
そうだよそうだよ。
あの放送はまずいよ。
あああ、いますぐネットで情報あさりたい。
全国のみなさまがどう感じたのか、いますぐしりたい。
翔くんからはなれ、うなだれるわたしにハルが声をかけてきた。
「みんなね、Aのこと見届けたいんだよ」
にっと笑うハルの顔をわたしはみあげた。
＊
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作者名：ひか | 作成日時：2016年1月19日 17時
