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どこにいくんだ？
みなれた場所ではあるけれど、このあたりは完全なる住宅街。
こっちにお店なんかあったっけ？
わたしはくびをかしげながら、さきをあるくハルとリュウのうしろをぼさっとついていっていた。
「リュウのそのかばん、かっこいーじゃん
どこのー？」
「これいいでしょ？
結構気にいってるんだよね」
かばんなんかどーでもいい。
そして、ニノはなにしてるのさ。
てか、コンビニからうごいちゃったらニノにあえなくない？
…いや、それよりハルがおかしい、意味がわからない。
きょうあう予定はなかった。
なのに、あたかもまちあわせしていたかのようにわたしに接した。
なんで？
ハルとニノの接点は… ない。
「ちょっともってみてもいい？
こんどカレシがたんじょう日でさ、かばんあげようかなって思っててー」
ふだんはひとあたりがいいリュウ。
実際わたしたちがどんな関係になっているのかハルにもしられていないと思いこんでいる。
「かるいからつかれないし、おすすめだよ」
きげんよくハルに自分のかばんを手わたしている。
「わー、ほんとだ
みためよりぜんぜんかるいねー」
気がつくと大通りにでていた。
大通りといってもくるまの往来が多少あって、飲食店はラーメン屋か牛丼屋くらい。
…いや、これ、もしやファミレスパターンか？
ハルとはたいがいのみ屋にいくものだから、めずらしいなーなんて思っていたら。
「な、なにするんだよ！！」
どさっとなにかがおちた音とともにリュウが突然おおきな声をだした。
地面にはリュウのかばん。
無残にも中身までがちらばっていた。
「え、なに、ハル、どうして…」
さすがにリュウがきれるんじゃないかとおびえるわたしを横目にハルはどうどうといいはなった。
「なにするんだはこっちのせりふ
いままでAになにしてくれてたのよ…？」
長い前髪を耳にかけるハルからは怒りがそのまま発せられていた。
リュウはぴくりと肩をゆらすがなにもいわない。
「いい？
これがほんとにさいごよ？」
忠告するようにハルはリュウにつげると、わたしの手をつかんだ。
「A、いくよ！！」
そういったハルはすでにいつものハルで。
にっと笑うと、すぐそばの交差点のかどにある交番にかけだした。
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作者名：ひか | 作成日時：2016年1月19日 17時
