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＊
「あー、ふたりとものみはじめてるー！！
ずるーい！！」
わたしとニノが缶ビールをかたむけているすがたをいちはやくみつけた相葉くんは準備の手をとめた。
「あいばかうるさい！！
アナタが仕切るんでしょ、ちゃんと用意しなさいよ」
「えーいいじゃん、オレものみたいもん！！」
「…おいらものみたい」
そこからとりあえずみんなでかんぱいして。
ニノにおしつけられたタッパーをかかえた相葉くんと潤くんが手際よくコンロをセットし、食材を網の上にならべていく。
気がついたらあたりは薄暗くなっていて、翔くんがこれまたおしゃれなランタンに火をともした。
「あんまりあかるくしすぎると星がみえなくなっちゃうから必要最低限ね」
わたしはランタンのそばにしゃがむと、ひさしぶりにみる炎に目をうばわれた。
はかなくゆれているのにそこには自然のちからづよさがあって。
まるで智くんの瞳みたいだと思った。
そのとき、ふありと背後にひとかげを感じてふりむくと智くん本人がふにゃりと笑っていた。
「なーんか、これ、Aみたい」
「…え、わたし？」
智くんはランタンの中の炎をゆびさしている。
「ん
でも、Aはいつまでも消えないけどね」
なんだかくすぐったかった。
わたしと智くんがちいさくほほ笑みあっていたら、ニノのよぶ声がした。
「ふたりともいちゃつくのはこれからいくらでもできるんですから、まずは肉たべてください」
「…いちゃついてないし！！」
わたしがすくりと立ちあがると、タンクトップのすそを智くんがぎゅっとつかんできた。
「どうしたの？」
うつむいている智くんの顔をみるとくちびるをとがらせていた。
「Aさ…
まえにニノんちに住んでたんだよね…？」
「え、あ、うん…」
「何度ものみにいったりしてたし
いちばんなかよしだよね？」
「あ、まあ」
否定するとうそになるからわたしはうなづいてみせたのだけれど。
智くんはぷいっと横をむくと、そのままみんなのほうへぽてぽてとあるきだしてしまった。
…なんだなんだ。
やきもちか？！！
ちいさなまあるい背中を目にとめると、わたしは尋常じゃないくらい智くんにとびつきたい衝動にかられ。
あたまで考えるよりさきにからだがうごいてしまって、実際そのままとびついていた。
「わ！！」
智くんの腰にうでをからませて、ぎゅっとだきしめる。
そして、わたしはいった。
「智くん、だいすきだよ」
＊
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作者名：ひか | 作成日時：2016年1月19日 17時
