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このままながれに身をゆだねるのもありか…？
いやいや、ないない！！
「A…」
鼻先がくっつきそうになったときに、わたしは智くんの肩をとんとおした。
「へ？」
きょとんとしている智くんにあやまると、わたしはビーチのいりぐちにむかってさけんだ。
「のぞきみするならどうどうとしなさいよ！！」
しばらくしーんとしずまりかえっていたが、岩場のすきまから申し訳なさそうなあたまがひとつぴょこりとあらわれた。
「ごめーん…」
相葉くんにつづいて、のこりの３人もすがたをあらわした。
「Aさん、どうどうとしたらそれはもはやのぞきみとはいいませんよ」
ニノはすずしげな顔であしについた砂をぱたぱたとはらいながら立ちあがった。
「いや、あの、のののぞきみだなんて、そんなつもり…
なあ？」
「そ、そうそう！！
ふたりともハラへったんじゃないかなーと思ってさ…」
しどろもどろな翔くんをかばうかのように潤くんは両手にぶらさげたビニール袋をかかげてみせる。
「えー、みんなみてたのお？」
いまだ半身海の中な智くんがのんきな声をあげた。
「ずいぶんまえから、よね？」
じろりとにらむと、翔くんと潤くんは互いに目くばせしあってわたしのほうへかけてきた。
「Aちゃん！！
ほら、ビールもってきたよ！！」
「智くんも、ささ、どうぞどうぞ」
「タオルもあるから！！」
「つまみもあるから！！」
ふたりにおされるようにビーチにあがると、相葉くんがなにやらおおきな四角い箱をひろげていた。
「これって、もしかして…」
「海のよるはバーベキューなんですって」
いつのまにかわたしのとなりにきていたニノはお肉やら野菜やらがすでにカットされてつめられているタッパーを手にしていた。
「相葉さんとＪがせっせと準備していたんで
つきあってやってくださいね」
そういうとニノはわたしに缶ビールを手わたしてくれた。
そして、ニノ自身もぷしゅっとプルタブをあけて、
「Aさん、がんばりましたね」
そういってこつんと缶どうしをあわせてきた。
「なんで上からなのよ」
くちではそういったものの、いつもなにかと気にかけてくれていたのはニノで。
ああ、ニノとの思いでが走馬灯のようにかけめぐる…
「ありがとね」
こんなことばだけじゃぜんぜんものたりないけれど。
きっとそれもお見通しなはずだから、わたしは笑ってビールにくちをつけた。
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作者名：ひか | 作成日時：2016年1月19日 17時
