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＊
駅だとひと目につきすぎると思った。
「まちあわせ、駅じゃなくてコンビニ？
コンビニってあそこの？
いまからこれるの？」
『そうですね、３０分後、いや、２０分でいきます』
「わかった
でも、いますぐはだめだよ
１回はなして… ちゃんとしてからにしたいから、ね」
そのまま電話を切ろうとしたが、ニノはそれをさえぎるようにめずらしく声をはりあげてわたしをよんだ。
『Aさん！！
今度こそ…
今度こそ、』
ことばにつまったニノの気配を感じながら、わたしはリュウにきこえないように背をむけてはやくちでつたえた。
「ゆめにかけてみる」
そして、スマホを耳からはなすと通話終了のボタンをタップした。
リュウにむきなおると、わたしはまた笑顔をはりつかせる。
「ハルねーさいきん仕事のことでなやんでるみたいで
ほら、ハルってすぐに行動にうつしちゃうところあるじゃん？
だから１回冷静になったほうがいいと思って、ね」
会話に不自然なところはなかったはず。
リュウもおちついてる。
いける。
あとはニノがどうでてくるかなんだけれど…
もう２度とくりかえさなくていい方法。
あと２０分でなにかひらめかないと。
どうしよう。
と、なやんではみるものの、わたしのあたまは異様にすっきりとしていた。
わたしには自分をまもれるだけの自信も環境もない。
魔法使いでもないでもなければ、生死をともにできるなかまもいない。
でも。
臆病になってしまいそうな暗闇も、ひとりじゃないんでしょう？
＊
相葉くんがひざかっくんをリュウにおみまいしたコンビニに到着したわたしは目をまるくした。
「Aー！！」
「ハル…」
「なあにおどろいた顔して
あたしが意外とはやくきたからびっくりした？」
想定外すぎる。
なぜハルがここに。
「リュウもひさしぶりー」
わたしがくちをぱくぱくさせているあいだに、ハルはリュウとかるくあいさつをかわす。
「なにたべにいこっかー」
ハルはそういうとわたしの背中をばんっとたたいた。
「…いつまでとぼけた顔してんのよ？」
こそっとつぶやくハルの顔をみあげる。
「だって…」
わたしがもごもごしていると、ハルはリュウのほうへふりかえりいった。
「リュウもおまかせでいいよね？
きょうはあたしおすすめのお店にいこう！！」
おおきなわっかのピアスがコンビニのウィンドウからもれる照明にてらされてきらりとひかった。
＊
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作者名：ひか | 作成日時：2016年1月19日 17時
