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初対面のはずなのにそんな気がしなかった。
いままで《松本潤》のはなしが自然と耳にはいってきていたせいかもしれない。
それは《松本潤》もおなじだったようで。
「なんかへんなかんじ、ですね」
はにかみながらわたしたちは乾杯した。
「とりあえず肉焼こうぜい！！」
翔くんはトング片手にはこばれてきた肉をつぎつぎ網の上にのせていく。
都心一等地の高級焼肉屋。
ああ、その肉ひときれでおいくらなんですか…
じゅーじゅーとこうばしい音をたてる煙のむこう、《松本潤》は翔くんを制するようにいった。
「翔さん、きょうは仕事のはなしがしたいっていったよね？」
仕事のはなし？
「わかってるってー
でも、そのまえに腹ごしらえも必要でしょ？」
翔くんはまるでわたしが空腹であるかのように、にんまりと笑っていった。
おなかへってるのはあなたでしょうが。
「え、てか、仕事のはなしって…？」
そんな場面にわたしがいてよいものか。
…でも、翔くんは《松本潤》がわたしにあいたがってるっていってた。
なんだろ。
翔くんが焼きあがった肉を小皿のせていってくれるものだから、わたしはくびをかしげながらも高級カルビをくちにはこぶ。
「ほら、松潤もたべな」
翔くんからお肉をすすめられると、《松本潤》もしぶしぶながらはしをもつ。
が。
「うま！！」
かぷりとひとくちでたべたお肉がお気にめしたようだ。
「だろ？
この店さいきんみつけたんだけど、うまいんだよ！！」
そのあとも翔くんは焼いたりたべたりすすめたりでいそがしそうにうごいていて。
わたしと《松本潤》もぱくぱくとお肉をたいらげつつ、ごきゅごきゅとビールもいただきつつ、他愛もないはなしでもりあがった。
おなかもおちついたころ、《松本潤》はなにかを思いだしたかのように、
「あ、Aさん」
と、わたしをよんだ。
そして、かぶっていたおしゃれハットをはずし、すっと居住まいをただす。
「いつかAさんにあえたら伝えなくちゃって思ってたんです
おそくなりましたが… リーダーのこと、ありがとうございました」
え。
えええ。
「い、いや、あの、そんな、こちらこそ、いろいろとご迷惑おかけして申し訳ありませんでした！！」
わたしもあせってぺこりとあたまをさげた。
もうずいぶんまえのことなのに。
《松本潤》…
なんて礼儀ただしいコなの！！
やっぱ嵐っていいね！！ ←ようやく５回め。
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作者名：ひか | 作成日時：2016年1月19日 17時
