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イブ当日ということもあり嵐はクリスマススペシャルメドレーなるものを披露した。
うたの冒頭で５人が両手をつかってクリスマスツリーをかたちづくって。
うたいおわるとカメラ目線で智くんが『メリークリスマス』とかかれた紙切れをひろげてみせた。
その紙切れも台本をちぎったようなもので。
やっぱり智くんとニノはにてる。
＊
わたしは相葉くんに『おたんじょう日おめでとう』とメールを送る。
世間では智くんのメッセージどおり『メリークリスマス』なのかもしれないけれど、わたしの中では２年まえから１２月２４日は相葉くんのおたんじょう日でしかなくなった。
そのままたてつづけにニノに『生放送おつかれさま』と文字をうちこみ送信した。
「なにかたべよっかなー」
のそりたちあがりキッチンへむかう。
冷蔵庫のとびらをあけて中身を物色しつつとりあえず缶ビールをとりだしたときだった。
部屋のテーブルに置きざりにしていたスマホが着信をしらせた。
『Aさん、こんばんわ』
ニノからだった。
「どしたの？
まだ局でしょ？」
電話のむこうはあいかわらずざわざわとさわがしい。
ニノと電話をするときは、そばにひとの気配がめちゃくちゃあるか、まったくないか、そのどちらかだ。
『いまからでてこれますか？』
「かまわないけど…？」
わたしは缶ビールのプルタブをあけようとしていた手をとめる。
ニノがまちあわせ場所をつたえてくれているとき、うしろから相葉くんのさけび声がきこえた。
『Aちゃーん！！
メールありがとおおお！！』
『ちょ、うるさいアイバカ』
『あーまたバカっていったー！！』
そのやりとりにわたしは思わずふきだしてしまう。
『Aさん、すみません
では、のちほど』
もしかしたら相葉くんのおたんじょう日のお祝いでもするのかもしれない。
わたしはそんな予想をしながら、ぬいだばかりのコートをはおると再び冬の街にでかけた。
＊
「…あれ、ニノひとり？」
指定されたお店はカウンターしかないこじんまりとしたバーだった。
さきに到着していたニノのとなりのスツールに腰かける。
「ワタクシひとりではいけませんでした？」
わたしはくびを横にふると、マスターにビールをたのむ。
「イブなのに予定なかったんですか？」
口角をきゅっとあげてほほ笑むニノにわたしはむっとしていった。
「そのせりふ、そのままそっくりおかえしします」
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作者名：ひか | 作成日時：2016年1月19日 17時
