2 楽屋で再会、そして。【センラ】 (ページ18)

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ライブは本当にファイナルと思うくらい、盛り上がり、見ているだけの私でも1階から来る熱気で汗をかいてしまうくらいだ。

ファイナルは、東京公演では聴けなかったあんな曲やこんな曲、色々あった。

ずっと幼馴染だった人が知らないうちにこんなにも大きなステージに立ってて、たくさんの人に愛されていて、私は改めて凄く感動した。

自慢の推し、自慢の幼馴染。

気がつけばライブはアンコールに差し掛かっていた。

センラさんも最後のトークでは涙目になりながらもいつもの元気な姿で振舞っていた。

私はセンラさんが好きだ。大好きだ。

仕事を頑張っていたり、歌が上手かったり、疲れていても元気な姿で振舞ったり。
そういう所に尊敬し、『私もそんな人になりたい』というような憧れでもあった。

じゃあ千良は？

勿論大好きだし、付き合いたいなぁ、なんて思ったりもしてしまう。

でも私はあくまで千良の幼馴染。

千良も私の事なんて普通の幼馴染、もっと言えば妹的な立場なんだろう。

好き、大好き。

でも叶わない恋なんだろう。
心のどこかで決めつけている。

「…はぁ」

思わずライブ中なのに溜め息をついてしまった。

luz「どしたんそんな溜め息ついて」

「え、」

気がつけばluzさんが隣に来ていて、驚いて変な声が出た。

luz「今溜め息ついたやろ？悩み事とかなら聞くで」

いい人だなあ…と思いながらも

「い、いえ！大丈夫です」

と私は作り笑顔作って見せる。

luz「…そんな偽りの笑顔、見たくないで？」

な、なんで分かってしまうんだ、？！

luzさんって人の事よく見てて、気にしてくれるんだなあ…いい人。

そう思った私はluzさんなら話してもいいかな、なんて思ってしまった。

「…今から独り言話すので聞き流してください。」

luz「…分かった。」

そして私はセンラさんが推しだということ。
推しが幼馴染だったというのを知った経緯。
幼馴染のことが好きだけどその幼馴染はきっと私の事は"幼馴染"程度でしか思っていない。

そんなことをひたすら独り言のように話した。

話していると悩んでいることがよく分からなくなってきて自分が馬鹿に思えて、涙が零れた。

好きだと伝えられない自分に不満。
好きと伝えても叶わない恋に少し悲しい。

静かに涙を流す私にluzさんは頭を優しく撫でてくれて、それが少し千良と似ている感じがして余計涙が出てきた。