2 楽屋で再会、そして。【センラ】 (ページ15)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:167,730 hit

44 ページ15

ーセンラside ー

ガチャ。

「お待たせ～…」

楽屋に戻るとAは目をキラキラさせて僕を見つめる。

「ど、どしたん…」

そういうと、Aの目から涙が溢れ出てきた。

「ちょ、え？！え？？は？え！？どしたん！」

近づいて声をかけてもずっと泣くだけ。

えっなんか俺なんかやった？！

貴「千良がっ…セ……さんで…ううう…」

「んんん？落ち着き落ち着き？」

そう言ってAの背中をさすってみる。

数分後、やっと落ち着いてきたようだ。

「なんで泣き始めたん」

貴「千良はセンラさんなんだなって改めて思えて、色々考えるとなんか夢すぎて…っ」

「そかそか…でも千良は千良やで？よく見てみ？」

貴「うああああああセンラさんじゃんんん？！直視できないってええぇぇぇえぇえ！」

「うっさいわ！」

貴「いつもはカラコンなんて付けないじゃん！」

「ま、まあ、せやな。」

貴「いつもはそんな耳かけしないじゃん？！」

「センラにとっても新鮮やけどね」

貴「………。千良じゃないって、別人」

なんか別人って言われたけど、、、
いい意味で？悪い意味で？なんなん…気になるなあ

「に…似合う？」

恐る恐る聞いてみた。
似合ってない、いつものでいい。って言われるじゃないかと覚悟していた。

貴「…うん。」

「へ？」

貴「に、似合ってるに決まってるじゃん、かっこよすぎるって…センラさん…」

「あ、ありがとう…」

嬉しい、似合ってるって、言われた。

でも"センラさん"。

千良のことは？俺自身は？

センラとしてじゃない。
俺自身、千良として見て欲しいよ。A。

貴「あ～推し尊い、尊い辛い！推し辛い！死んじゃう！死ねる！うん！推し最高！推し最強！」

「目の前にいるのにようそんな言えるなW」

ほんまに昔からうるさいのは変わらないなあ。
そう思ってAを見つめていると、急にAが近づいてきて、俺の両手をAの両手で包んで、キラキラした目で言った。

貴「センラさん、いや！千良！ライブ、頑張ってね！」

「っ…うん、うん！頑張るわ！」

嬉しかった。
俺自身を応援してくれている。

「A…ありがとう、急に緊張感出てきたわ」

貴「えっ！大丈夫？ごめん、プレッシャー的なのかけた？」

「うん、かけられた気がする。でもこれくらいがちょうどええのかもな」

そう言って僕は思いっきりAを抱きしめた