2 新幹線で一目惚れ【センラ】 (ページ33)

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会場から最寄まで歩く途中、Limeの通知音が鳴る。

「あ、瑠花」

瑠花『昨日の昼に行ったカフェにいるよー。』

あー、あそこかあ～、
1人でとぼとぼ歩く帰り道。

カフェまであと10分くらいで着くだろうか。

さすがに2日間ライブで立ちっぱなしは本当に疲れる……(T_T)

足が重くて開場前とは違う足と思えるくらい。

そんな重い足を必死に前に進めていると。

男A「よっ」

「……」

知らない人に声掛けられたら無視無視。

音楽聴いてますよ感出しとく。

男A「ちょっとお姉さんお姉さんっ」

「……」

あああだるい……
そう考えながらも重い足を少し早く動かす。

それでも男は

男A「えー？気付いてんのに無視ー？」

あ、だるい。

「……なんですか。」

歩きながらその男とは目線を合わせずに話す。

男A「お、やっと話してくれる気になった？うれしー笑笑」

「…なんですか。」

男A「いや姉ちゃん、君可愛いじゃん？夜に1人とか大丈夫～？」

「はい。すぐそこに友達いるんで」

男A「俺、そんな可愛い女の子が一人で歩いてると心配でさあ～、ねえねえ、俺と遊ばない？」

。。。

典型的なナンパというのだろうか。

いつもは帰りはアノ瑠花と2人で帰るから男なんてそんな寄ってきた試しないし、来たとしても瑠花が多分口答えして勝っちゃうと思う。

でも今日は1人、助けてくれる人なんていない、

ああどうしよう、、、こんな時に瑠花がああ…

男A「おい聞いている～？」

「ぃやっ…」

男は歩きを止めない私の前に立ってきた為、私は男の人の体にぶつかりそうになる。

まって近づいてちょっと思ったけど酒飲んでる？

うわあ…まためんどくさいなあ…

男A「可愛い声出すじゃん♪ ちょっと付き合ってよ～」

そう言って男は私の手首を掴んでカフェとは違う方向へ連れて行こうとする。
掴む力が凄く強くて、痛い。

「いやっ、やめてっ…」

男A「この時間なら遊ぶところも無いし、ホテルで気持ちいいことしようぜぇ～？」

ニヤニヤしながら私の体を上から下へと目線を移していく。

気持ち悪い……。

振り払って逃げても相手は同じか少し上の男の人、体力は男の人の方が断然あるだろう。

どうしよう、どうしよう。

助けを求めるにも人気がない、公演終わって1時間は経つもんな……でも叫んだら誰か来るかな……。

そんなことが頭でひたすらループする。

？「おい」