2 新幹線で一目惚れ【センラ】 (ページ32)

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「あ…ぁぃしてまs…」

セ「んんんんん～～～？」

「あ…あいして、ます」

セ「ああもう可愛い！」

そう折原さんは叫ぶとまた思い切って抱き着いてくる。え、なに、犬……？

「く、苦しいですっ……」

セ「あっすまん」

そう言って折原さんは腕を解く。

セ「あーあーあー、こんな幸せ者でええのかなー…」

「それはそのままそっくりお返しします…」

セ「あっ、A、付き合うことになったんやし、折原さんって呼びやめへん？」

「え。」

セ「あと敬語も」

いやいやいやいやいやいやいやいや。

「ええええ…敬語はちょっと…年上ですし…」

セ「うーん…じゃあ慣れてきたら敬語な？」

「はいっ…」

セ「じゃあ下の名前で呼んでや」

下の名前って……。確か…

「千里……さん？」

セ「千里でええのに～！…まあええか。可愛いから許す。」

千里さんって呼ぶだけでなんだか距離が縮まった感じがして嬉しさと共に恥ずかしくなる…。

し「センラさーん？」

ドアの向こうから志麻さんらしき声。

セ「あっ、やべ、もうそんな時間？！」

時計を見ると公演が終わって30分が超えていた。

セ「あと10分で帰る支度してここを出んと！」

「え、ええ？！」

し「入るで～？………。Aちゃん？！何でおるん？！」

セ「俺が呼んだんよ！！ごめんA！また連絡するから！まーしぃ！A出口まで案内してくれへん？！」

し「えっ？！ああ、わ、わかった…」

そう言ってセンラさんはリュックから化粧落としを取り出し、化粧を落とし始めた。

「折は……千里さん！お疲れ様でしたっ…！」

恥ずかしさで顔を逸らしちゃったけど聞こえてたかな。

恥ずかしくて頭が真っ白になりそうだったけれど「Aちゃん、案内するで」と志麻さんに肩を軽く叩かれ、我に返り、楽屋を出る。

外に案内される時に志麻さんが凄く問いつめてくるから、そこは素直に話すと、

し「ほんまにぃ？！え！おめでとう！！！」

急に声がでかくなって嬉しそうに祝福してくれた。

そのあと、「実は…」と急に恥ずかしがりながら志麻さんは瑠花が好きなのを伝えてきた。

すごく耳まで赤くして話してくれて、志麻さん可愛いなあと思ってしまう。
というかこっちまで顔が赤くなってしまう。

「結ばれることを祈ってますね」と言うと、志麻さんも「ありがとう、頑張ってみる」と笑顔で返してくれた。

そして私は志麻さんにお礼を言って会場を後にした