2 新幹線で一目惚れ【センラ】 (ページ1)

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センラside．

試着室のドアが開き、俺はその先を見た。

貴「ど、どうでしょうか…」

すごく不安な顔をしながらAちゃんは試着室から出てきた。

その姿は例えるならば……天使(？)

今まで会ったAちゃんは、清楚な服装やバイト服などしか見なかった。

目の前にいるのは本当にAちゃんなのかと目を疑うくらいに可愛いAちゃんが立っていた。

「･･･。」

俺はしばらく黙り込んだ。
あまりにも可愛くて、新鮮であった為、目を奪われてしまっていた。

貴「え、、あの、、！」

「え」

Aちゃんに何度か声を掛けられているのも気付かずに。

「え、ああ、ごめん！つい可愛くて…」

貴「えっ。。」

「いや！ほんま！似合っとるで！自信持ってや！」

俺は思ったことをしっかり言った。
そりゃまあいい事やし…？
着て来て欲しいねん…。
すぐ見つけられるから。

貴「そ、そんなに言われると…その…」

「お似合いやで。」

そう言うと、Aちゃんは顔を赤らめて視線を逸らす。

貴「こ、今回だけ…ですからね…」

そういって恥ずかしそうになりながらも試着室に素早く戻る。

え。。。

勝った？なあなあ、これ勝った？へ？

着てきてくれるってことやんな…？

俺はその場で叫びたい気持ちを抑えて思いっきりガッツポーズをした。

Aちゃんが元々着ていた服に着替え、試着した服を持って試着室から出てきた。

俺は直ぐにAちゃんが持っている服を俺が持ち、レジに向かう。

貴「あっ、ありがとう、ございます…！お支払い済ませるので椅子に座って待っててもいいですよ…？」

「ん？何言うとるん。俺が選んだんやし、俺が着て欲しい思ったんやから俺に買わせてや。」

貴「んんん？！え！いやいやいやいやいや！」

Aちゃんが戸惑ってる中、俺は冷静にレジの店員さんに「すみません、お願いします」とニコッと笑ってみせた。

店員「合計3点で15600円です～」

貴「本当にいいですからっ！」

「これでお願いします～」

Aちゃんの話をうまくかわし、16000円をレジに出す。

店員さんからお釣りを貰い、店員さんに服を袋に入れてもらう時、

貴「っ……」

え。

「なんで泣いとるん？！」

貴「推しに迷惑を……うう…ごめんなさい。」

そう言うと綺麗な目からたちまち涙が溢れ出る。

泣かせたかったんちゃうけどなあ…

俺、なんか間違ったかな…？