【エリオス】黒い羽を青空に。 (ページ32)

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30.悩みページ32

「なぁ！聞いてんのかよ！」

「聞いてます………」

何が悲しくてこんな晴天の下芝生の上で正座をしなくてはならないのだろうか。
ホットドッグ片手に迫るアキラの目を見ずに答える。

まぁ当たり前だけど翼のことを聞いてきた。
だけどそれを説明するには言葉や時間、覚悟がないからさっきからかれこれ二十分言いあぐねている。

「言うつもりはある、から待って」

「……………分かった」

「ゆっくりでいいよ」

「ウィルはレンといいAといい甘やかしすぎだからな」

休憩時間が終わるとかで今日は解散となった。
一人帰り道で考える。

どこから話せば良いんだろう。
アキラは、ウィルは、何を聞きたいんだろう。

色々悩んでいると雨が降ってきたため急いでお店の下に避難する途中路地裏に入って行く少年を見かけた。

いや、少年っていうより青年？
結構降ってるのに何で路地裏に………

少し迷って風邪を引いたらあれだしなぁ、と買った傘を持って私も路地裏に入った。

「(これ普通にストーキングだからアウトだよね………)」

違うんです、お父さんお母さんあなたの娘は決してストーキングしているわけでは…………あ。

曲がり角でこっそり様子を伺えばその青年は猫に傘をあげていた。
何か喋ったあとこっちに戻ってくる。

ど、どうしよう、偶然を装う？でもこんな路地裏で偶然って無理があるよね？？？
もういっそのこと引き返すしか＿＿＿＿＿

「あ？何だお前」