帝王 番外編7 ページ46
『ここって上の定理と同じですよね』
牛島「A」
『？はい』
答案用紙を見て考えていると、ふと彼に名を呼ばれたので顔を上げる
そこには何処か苦しそうに眉をひそめる牛島が此方を見つめていた
牛島「勉強会もこの距離でやっていたのか？」
『？いや…意識してないんで分からないです』
いきなりどうしたのだろう
問題について解き方を教えてくれるのかと思いきや、何故か関係の無い質問をぶつけてくるのだから
Aは「？」を頭の上に1つ、また1つ浮かべる
牛島「匂いがする」
『匂い？』
牛島「…気にいらん」
『は？…えッ、ちょ！』
そう言うが早いか、牛島はAの肩をグッと掴みシーツの海に身体を沈めた
そして間髪入れず「逃がさない」とでも言うように、顔の横に逞しい2本の腕をつかせる
『牛島、さんっ』
牛島「…匂いが移るほどの距離に俺以外が居たのか」
『はぁ？』
牛島「よくそれで俺の部屋に入って来れたな」
『い゛ッ！』
ギリリと手加減など一切せずに掴んでくる手首が痛い
本能的に「マズイ」と思って起き上がろうとするも、体重と筋力量は圧倒的に彼の方が上
それにプラスして、上から押え付ける力を最大限に使い動きを封じ込めてくるので何も出来ない
歯痒い思いと羞恥、そして鈍い痛みが蓄積していく
牛島「A…」
『、ッ』
牛島「A、」
うわ言のように自分の名前を呟く牛島
普通、手や肩が触れ合っただけでは他人の匂いは移らない
しかし長時間、しかも近距離で傍にいればその者の匂いは移り上書きされる
それが牛島には心底気に入らなかったのだ
牛島「(…どうしてこんなにも胸が痛いのか)」
わからない
たまに抱く感情だが、これが何なのかは知らない
ふつりと涌いた得体の知れないナニカに身も心も侵され、本能のままに行動した
牛島「(あぁ、お前はどんな表情でも美しいな)」
組み敷いたのは俺だ
この手で触れているのも俺だ
そしてその穢れなき無垢な眼に写るのもこの…お、れ
牛島「！」
『、せんぱ…い』
真紅を閉じ込めた椛が薄らと濡れている事に気づいた時、ハッとした
それに写る己の何と浅ましく滑稽な姿な事か
牛島「悪い、！」
勢いよくバッと離れた牛島
それが悪かった
牛島「(ゴンッ)、ゥ゛ッ！」
『……………はぁ！？』←
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青めがね エレン(プロフ) - 一輝さん» ありがとうございます！そのお言葉で更新頑張らなきゃ…！と燃え上がることができました！！！これからもよろしくお願い致します！！！ (2021年1月31日 21時) (
レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - 菜の花のからしあえさん» コメントありがとうございます！3周！嬉しすぎる…続編もでましたのでこれからもよろしくお願い致します！！！！ちゅきぴ！！！！！！ (2021年1月31日 21時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
一輝 - 毎回楽しみに読んでいます更新楽しみにしています頑張って下さい (2021年1月22日 20時) (レス) id: 61bf71a8cd (このIDを非表示/違反報告)
菜の花のからしあえ(プロフ) - お久しぶりです！毎回更新楽しみです！！エレンさんの作品全てが面白くて、この作品はもう3周ほど読みました笑 これからも頑張ってください！ (2021年1月5日 10時) (レス) id: eb3cbc1812 (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - りゅ。さん» コメントありがとうございます！何周もしてくれたんですか！嬉しすぎてとりあえずスキップしてます。夜だけど← 白鳥沢の絡み、番外編として書きたいと思います！絶対面白くなりそう。良い案ありがとうございます！(何様←)これからもどうぞ宜しくお願い致します！！！ (2021年1月2日 23時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青めがね エレン
| 作成日時：2020年9月11日 8時
