コート場の帝王 １３【○○○！！】

帝王 番外編5 ページ44

白布「…はぁ、」



ここは俺の部屋なのに…



勝手に浮ついていた自分にほとほと嫌気がさす


Aと2人きりで勉強し、たっぷりと彼を独り占めする予定だった白布は項垂れた



…あ、この問題今日分からなかった所だ





『白布』

白布「！A…」

『ごめんな、お前皆で勉強すんの嫌だったろ？』

白布「そ…んなこと、」

『嘘つくなって』



お前意外とすぐ顔に出るから分かるよ、


あの騒がしい空間(主に天童)から抜け出し、自分の隣に腰を下ろすAはクスクスと楽しそうに笑っていた


あぁ、その笑顔。その笑顔が俺はたまらなく…


と、もうそこまで溢れかけていた想いを慌てて呑み込み頭を振り払う





『どうした？』

白布「い、や何でもない」

『？あ、ここが分かんなかったとこ？』

白布「おう」

『簡単だよ。この問題さ──』







・







川西「なぁAー」

『あ？』

川西「ここ解き方教えて」

『ん、ちょい待ち』





五色「て事はこう…？」

『当たり。やるじゃん五色』

五色「！ありがとうございますッ」





天童「A〜かまって〜」

『クッソ重てぇ…』

瀬見「おい離れろ！」

天童「隼人くんひま〜」

山形「俺は暇じゃねぇよ」







勉強会が始まって早1時間



勉強会に参加すると最初に名乗りを挙げた天童は飽きてしまい、絶賛カマチョを発動している


最高学年が何をしてんだか…


そこでふと、天童にちょっかいを掛けられていた山形はある事に気づく





山形「なぁ若利来てなくね？」

大平「あぁ、若利は勉強は自室でやるから良いって断っていたよ」





1、2、3年のレギュラーは仲良く勢揃いしているのに、その中には我がチームのもう1人のエースの姿が無かった


しかし大平曰く、誘ってみたものの静かにやりたいとの事で断ったらしい







『…あ、』

大平「どうした？A」

『いや、牛島さんに答案用紙見せてもらう約束してたので』




ちょっとオレ抜けますね、


そう言ってスっと立ち上がったAは、寝転がって道を塞ぐ天童を「すんません」と言って跨いだ


脚長いねぇ〜と茶化して手を伸ばしてきたが、とりあえず今はスルーしよう←





大平「いってらっしゃい」

白布「頼むから早く帰って来い(早口」←

『分かってるって』





にこやかに見送る大平

此奴らの相手しんどいから早く帰って来いと念を送る白布


そんな2人の視線を背中に、パタンとドアを閉めた。

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