コート場の帝王 １３【○○○！！】

帝王 613 ページ22

日向「にしてもデカいな！」

影山「あぁ」

日向「あ！寝っ転がった方が見やすい！把握できる！」






ワレ、全貌ヲ把握セリ！


アスファルトの上で大の字になった日向は随分楽しそうに東京タワーを鑑賞している







ようやく再開した4人が立っているのはライトアップされた東京タワーの真下だった



大きい、

遠くから見ている分にはただの赤い鉄塔だったが、ここまで近づくと遠近感がおかしくなるような大きさだ



現に、立ったまま見るA・影山・月島の高身長組は 首をほぼ90度に上げて見なければならない






『あー首痛い』

月島「ですね」

日向「寝っ転がると全部見えますよ！」

月島「そんな道で寝っ転がるとか有り得ないし」

影山「じゃあ座れば良いじゃねぇか」

月島「…」





違う、そう言う意味じゃない


いくらアスファルトの上でも何か嫌じゃん



冷たい目で変人コンビを見下した月島は盛大にため息を付いた






日向「これ、今度は上まで登りたいな〜」

月島「勝手にドーゾ」

日向「なんだよー月島も登りたいだろ？」

月島「僕、君と違って高いとこは好きじゃないんで」

影山「お前高いの怖いのか」

月島「はぁ？怖いなんて一言も言ってないけど？」






東京タワーは地上150mに位置する展望台「メインデッキ」まで階段で登れる


約600段の階段昇り




それをめぐって影山と月島の一悶着が始まりそう



何でこうも1年生は喧嘩っ早いのだろうか…と思ったが、Aの学年・2年生もだいぶ喧嘩っ早い


てか2年生のほうが血の気が多いしすぐ喧嘩するな。






『そろそろ帰るよ』


日向・影山「「はい！」」

月島「…はーい」






1個上の男前な先輩が、行きと同じように出発の声を掛ける



先頭に彼、次に影山が着いて行く


この中でただ一人、自転車の月島もスタンドを蹴り上げサドルに股がった






日向「また今度なー！」

月島「早くして」

日向「おう！」






333mの赤いタワーに向かって大きく手を振る日向


今度こそ、その手綱を離してしまわないように「早く」と促し先に行った2人の後を追わした






月島「…」






そして最後尾の月島、彼らを追いかけるべくその古びた自転車のペダルを踏み込んだ。











明日は春の高校バレー初日。



果たして、この4人は明日の夜も東京に居られるのだろうか


夜の明るさが夜空の星を隠す




見えない星の代わりのように輝く夜景に向かって彼らは走り出した。

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