コート場の帝王 １３【○○○！！】

帝王 612 ページ21

月島「…あのバカたち来ますかね」

『来なきゃ困る』






桜田門からここ、東京タワーまでは約2.7km


影山のいる国会議事堂からは約2.4km


日向のいる東京駅からは約3.5km








1番最初にゴールである東京タワーの足元に着いたのはAと月島だった



まぁ黒髪の美青年のランニングスピードは誰よりも早いし、月島は自転車


妥当である。








『にしても、本当に東京タワーに来るとはな』

月島「ですね」

『近くで見てもやっぱ綺麗だわ』




…そう言う貴方の方が断然綺麗ですよ


そんな事言えるはずもなく心の内で呟いた月島は、淡いオレンジに照らされた彼の横顔を眺めた






彼と行きたいなと思うも蓋をした欲が、まさかこんなにも早く叶うとは



…あぁ、やっぱ思ってた通りだった


淡いオレンジのライトは彼の白い肌を優しく染め、その深い紅色の瞳を更に濃くする


思ってた通りじゃないな、これは想像以上だ






月島「…」






小さな光が集まるオフィス街

所々で色とりどりに輝くイルミネーション

デートスポットとしても有名な夜の東京タワー



春の高校バレーという大会の為にここに来ているのに、まるで本当にデートををしているようだった






月島「…Aさん」

『ん？』

月島「あの、僕…」






浮ついた気持ちに乗じ、伝えてしまおうと思った


この甘酸っぱくてめんどくさい、とてつもなく愛おしい想いを







月島「僕…、貴方のことがs「Aさん！」…は？」






意を決して吐き出そうとした大切な彼への気持ち


それはどこからとも無く現れたタイミングのくっそ悪い影山に遮られた






影山「日向はまだっすか」

『お前が先だよ』

影山「ッ勝った！」

月島「…はぁ、」






2人での競争を吹っ掛けたのは自分だが、こんなタイミングで到着するとは思わないだろ


月島は「王様って本当自分勝手だよね」と不貞腐れたように文句をぶつけた






影山「んだと！？」

『ほーら、喧嘩すんな』






頼むからこれ以上面倒起こさないで


呆れたようにステイをかける黒髪の美青年






日向「Aさん！」

『おー日向』

日向「だぁ！影山がいるー！」

影山「フンッ」






その少し後に日向も到着し、着いた途端「負けたァ！」と叫んだ


1番長い距離を走ったのはオレンジの髪色を持つ彼


疲れてないのかよ

流石、体力おばけ。

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