コート場の帝王 １３【○○○！！】

帝王 602 ページ3

魔の東京ダンジョンへの入口に入り、体育館の最寄り駅の切符を買った烏野一行


東峰が持ってきていたicscaというICカードは東京では使えないし、Suicaを持っていた清水は改札を間違えるし…


1番はそれを見た田中と西谷が改札を飛び越えて助けに行く！と騒ぎ立てる物だから、もう大変だった







澤村「あと5分後に乗るからなー」


烏野「「「はい！」」」







都営地下鉄の改札を潜り、目当ての西高島平行き電車を待つ

数名はトイレに行ったみたいだが付き添いに武田も行ってくれたので大丈夫だろう


すると、1番離れた所から黄色い声が聞こえた







女子1「み、帝人くんですよね！」

女子2「テレビで見ましたっ///」

女子3「本物の方がカッコいい〜！」




『…あざっす』




女子たち「「キャ〜〜ッ！///」」








見れば、またウチの異端児が囲まれているではないか


今度は同い歳の女子高生だろうか…

一緒に写真撮って下さい！と強めに迫られている





全国放送でその名も顔も流れてしまったので、バレーボールを知らない者も彼を知っているよう

テレビの影響力というのは本当に凄まじい


ただの男子高校生がこうして俳優やアイドルのように話し掛けられ、写真を撮ろうとカメラを向けられる




きっと彼はこれからそういう道を辿る者


それの洗礼と思えば良いのかもしれないが、今は…今だけは待って欲しい







澤村「A！」

『あ、呼ばれたんで…すんません』

女子たち「「えぇ〜っ」」








こういう時、チームという大人数や主将という立場は有難い


名前を呼べばまるで牧場犬のように戻ってくる

犬、と言うよりは獅子だが


どちらにせよ、後輩可愛い←






『すいません大地さん』

澤村「いいよいいよ、テレビすげぇな」

『知らない人にいきなり話し掛けられて驚きました』







バレーボール界ではその名を知らない者がいない程有名になったAも、公共の場であのように話しかけられるのは初めてなのだろう


少しおどけた顔で戻ってきたものだから、いつもの飄々とした態度とのギャップがある




それにしても、この人気ようをどうしたものか…








澤村「うーん…」

『なんスか？』

澤村「よしA、フード被っておけ」

『？はい』







きっと、頭一つ抜けた身長とこの彫刻のような顔立ちが目立つのだ

澤村に促されるままAはパーカーのフードを被る




これで話しかけられる回数が減る事を祈ろう。

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