コート場の帝王 １３【○○○！！】

帝王 606 ページ15

調整も終わり、帰宅ラッシュに揉まれながらも宿に着いた烏野一行


1人も欠ける事無くあの時間帯をやり過ごせたのは武田と烏養、大人組が頑張ったからである





「かけす荘」




かなり円熟味のある旅館だがご飯は美味しい


そこのある一室で集まり「ORE SUGEE DOUGA」を見ていたが、それも解散し皆 思い思いに時間を過ごしていた







『大地さん走り行ってきて良いっすか』

澤村「おう、寒いから気をつけろよ」

『はい』

澤村「それと東京砂漠で迷わないようにな」

『ふふっわかってます』








合宿中だろうと夜のランニングを欠かさないストイックマンのA


いつもの様に走ってくる事を主将の澤村に一声かければ、迷子になるなよと付け加えられた



安心して欲しい、そんな馬鹿じゃない。




初めての道だろうと行きと同じ所を通れば宿には帰って来れるし、もし迷ったとて人に聞く、又は地図でどうにでもなる






『あれ、影山？』

影山「！Aさん」

『お前も走りいくの？』

影山「うっす」






トレーニングウェアに着替えて玄関に向かえば、そこには先客が居た


同じくストイックマンの影山



Aは『そっか』と短く返すと、彼の隣に腰をかけ靴紐を結ぶ


すると後ろから誰かが階段を降りてくる音が聞こえた






縁下「ん？2人ともどっか行くの？」


『走ってくる』
影山「走ってきます」


縁下「あーね」






それは先程、先生との監督者会議で不在になる澤村に
「くれぐれも問題児を頼むぞ」と任されていた縁下で


玄関前で仲良く並んだ背中に声を掛けた



影山単品だったら不安しか感じないが、Aが着いてるなら大丈夫だろう





しかしその直後に現れた「問題児」に再び不安に駆られる







日向「俺も今日全然動き足りないんで走って来ます！」

縁下「ひ、日向も？！」

『…えぇ』






ドタドタと階段を下ってきた不安要素



何が不安ってこの日向・影山の変人コンビが揃うとろくな事が起きない


そしてもし“それ”が起これば、対処するのはA一人になる




彼も日向の登場で「マズい」と思ってるのだろう、明らか嫌な顔をした






縁下「(Aと影山だけなら行かせてやったけど、日向も揃うと絶対マズい！)」






だからといってランニングに行かせず、それのせいで今晩眠れないってなったらそれもそれで困る



ならば誰かあと1人


せめて1人、常識人の見張りが欲しい。

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