帝王 409 ページ9
「集合ー!」
この天井も高く横にも広い体育館に、招集の声がかけられた。
散らばっていた選手たちが一斉に1箇所に集い、ズラリと肩を並べる。
その中にはAはいなく、影山はキョロキョロと辺りを探すが、監督関係者側にもいなかった。
トレーナー「今日は遠方より集まって頂き、ありがとうございます。ここにいる方々の軽い紹介から始めます。」
トレーナー、コーチ、チームマネージャー、専任ドクターなどの役職と名前を紹介され、軽い挨拶を交えて話が進んでいく。
やはり日本を背負って立つとなると、待遇も全然違うなと選手達はそれぞれに思った。
トレーナー「それでは監督、一言お願いします。」
雲雀田「はいはい、えーっとオジサン達の話に聞き飽きてると思うんで、手短に。
「日本、高さとパワーの前に破れる」…なんて決まり文句はもう古い。」
選手「「「!」」」
雲雀田「あらゆる事は「備わっている」ものではなく、「発揮」されるものだ。世界を相手に暴れてくれ。“バレーボールはもっと面白いと証明しよう”。」
選手「「「はい!」」」
これが全日本チームを統率する監督の言葉の重みだ。
たった一言で、代表の席を取り合う選手達の士気を高めるその手腕は、確かに世界を見てきたからだった。
進行役のトレーナーは流石は監督、と頷くと視線を手元の資料に落とし口を開く。
トレーナー「次に、数人見かけたと思いますが、代表が確定している“帝人”君も、この合宿に最初の2日間参加します。」
雲雀田「ここからは僕から説明しようか。
…単刀直入に言おう、A君はイタリア“リオン・ネーロ”のトライアウトが決まっている。」
選手「「「!!」」」
選手たちの方から息を呑む音が聞こえた。
…それもそのはず、彼らがそのチームを知らない訳が無い。
限られた者しか受けることを許されないってとこだよな…?ま、じで?
興奮でザワつく若人たちに監督は声を続けた。
雲雀田「彼はまだ未成年だからね、専属コーチを付けて2人で行く。そして調整も兼ねて、この合宿に参加してくれことになった!」
──ガチャ、
選手「「「!!」」」
「教官室」と書かれた扉が開き、静かに姿を現した
黒髪の怪物
雲雀田「…彼は君たちのお手本になる」
『……(キュッ)』
雲雀田「“盗めるものは盗みなさい”」
ニッと歯を見せて全日本の監督は笑った。
568人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青めがね エレン(プロフ) - SALAさん» すぐに訂正させて頂きました!今後とも宜しくお願い致します!! (2020年8月9日 20時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - SALAさん» ご指摘ありがとうございます!そこの所自分わからなくて調べたんですけど如何せん頭が悪くて…( ´;ω;` )嬉しいです!これで安心できる〜!(笑) 本当にありがとうございます!これからも宜しくお願い致します!!(これからも間違えていたらお願い致します<(_ _)>) (2020年8月9日 20時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
SALA(プロフ) - 訂正失礼いたしました! (2020年8月9日 20時) (レス) id: 74892cdce0 (このIDを非表示/違反報告)
SALA(プロフ) - この作品大好きなので頑張って下さい!…失礼ながら訂正させていただきますが414話の「通称インターハイ」は正しくは「全中」でございます。ちなみに言いますと、高校の全国大会をインターハイ(インハイ)、大学の全国大会をインターカレッジ(インカレ)と言います。 (2020年8月9日 20時) (レス) id: 74892cdce0 (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - yukaさん» 嬉しすぎてハゲましたよ?一番面白いとか…あ、とりあえず昇天しますね!←これからも面白いって思えて貰えるよう頑張ります!宜しくお願いします!! (2020年7月31日 2時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:青めがね エレン | 作成日時:2020年5月4日 1時