帝王 443 ページ43
『っは、っ!?!?』
ガバッと勢いよく座席から起き上がる影があった。
冷や汗をダラダラ垂らし、呼吸は不規則。
嫌な夢を見た事が一目瞭然だ。
『っ…』
そっと拳を見てみると、そこには男らしいゴツゴツとした自分の左手が。
続いて体を見ると、柔らかく曲線美を描いていた体は平坦で筋肉の鎧を装着した硬いものに戻っている。
そして、見なくてもわかる股の違和感。
『(あ、ある…)』
男の象徴とされる己のシンボル(パオーン)←
全てが元通りだった。
全てがかえってきていた。
『…ゆめ、か』
皆が静かに眠る機内でAはそっと零した。
すると隣から聞こえた「アボカドは、消しゴム…空飛ぶよ」という寝言に気が緩む。
日頃のコーチからは想像できないな…そう、ずり落ちたブランケットをかけ直して思った。
『…はぁ』
まだ目的地までの旅路は長く、寝る時間はたっぷりある。
しかしどうしても寝る気がおきないAは机の上に置いてある本を手にした。
────覚悟しろよ
『っ、〜〜!////』
誰も起きていなくてよかった。
思い出して羞恥に悶える自分は見られたくない。
ぱたり、と本を閉じて深く息を吐いたAは、母国にいる彼を恨んだ。
───時同じくして日本
佐久早「は、っ!!」
古森「うぅん、…」
ガバリと飛び起きる影がこちらにもひとつあった。
甘く熱を持つ身体に、もれる吐息は荒い。
高校2年生の佐久早聖臣もまた、イタリアへ旅立ちその道中で夢を見ていた彼と同じものを見ていた。
大人に成長した自分が、女性となった想い人を押し倒し交わる夢を。
佐久早「あぁ、もう…」
恋焦がれすぎて、遂には夢に出てきてしまった。
彼がこの現実では絶対に有り得ない姿となり、盛った獣に貪られる。
官能的で扇情的なあれに興奮するなという方が難しい。
佐久早「はぁ…」
全くいいもんだ、隣に眠る同部屋の奴は何も考えずアホみたいに寝ているのだから。
こちとら内に溜まった甘美な熱に頭を抱えていると言うのに。
うるさい心臓と昂る熱情を抑える為、温くなったペットボトルの水を喉へ流し込んだ。
ーーーー
リクエストで来てた佐久早君との絡みでした♡
前に及川(女ver)書いたのでその逆書きました!
リクエスト待ってます!
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青めがね エレン(プロフ) - SALAさん» すぐに訂正させて頂きました!今後とも宜しくお願い致します!! (2020年8月9日 20時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - SALAさん» ご指摘ありがとうございます!そこの所自分わからなくて調べたんですけど如何せん頭が悪くて…( ´;ω;` )嬉しいです!これで安心できる〜!(笑) 本当にありがとうございます!これからも宜しくお願い致します!!(これからも間違えていたらお願い致します<(_ _)>) (2020年8月9日 20時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
SALA(プロフ) - 訂正失礼いたしました! (2020年8月9日 20時) (レス) id: 74892cdce0 (このIDを非表示/違反報告)
SALA(プロフ) - この作品大好きなので頑張って下さい!…失礼ながら訂正させていただきますが414話の「通称インターハイ」は正しくは「全中」でございます。ちなみに言いますと、高校の全国大会をインターハイ(インハイ)、大学の全国大会をインターカレッジ(インカレ)と言います。 (2020年8月9日 20時) (レス) id: 74892cdce0 (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - yukaさん» 嬉しすぎてハゲましたよ?一番面白いとか…あ、とりあえず昇天しますね!←これからも面白いって思えて貰えるよう頑張ります!宜しくお願いします!! (2020年7月31日 2時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青めがね エレン | 作成日時:2020年5月4日 1時