帝王 436 ページ36
星海「俺、中学2年の国体の時、
準決勝でAと当たったんだ」
侑「…俺と当たる前の試合か」
まぁそんなの覚えてないよな、と寂しそうに笑う星海にAは何も言えなかった。
無理もない。
あの頃の星海は、Aのような大注目の選手でも、確実にレギュラーに入れていた訳でもない。
彼はそこら辺にゴロゴロ転がっていた、ただの中学2年生だったのだから。
星海「でも俺はあの試合を忘れない。
…俺、そこで気付いたんだ」
「天才が努力するから“強い”んだって」
『!』
星海「そんで、帝人さんカッコイイな〜強いな〜ってずっと目で追ってたら…その、ファンになった…的な////」
本心を打ち明けるのは中々恥ずかしい。
最後の方は尻すぼみになって小さく伝えた星海は、羞恥でカーッと首まで赤くした。
『……』
侑「A?」
対して黒髪の美青年は目を丸くしたまま動きを止めて居た。
初めてだったのだ。
あの頃の自分のプレーに心酔し、崇拝している者は多い。
言うなれば、「光の部分」
しかし星海は「影の部分」を見て、畏敬の念を抱いてくれたのだ。
「天才」は嫌いだと言っていたのに
此奴はオレの努力を見て、尊敬してくれた
───嫌いを乗り越えた好きは本当の気持ち
『っやべぇ……超嬉しい、//』
星海「!」
ふい、と視線を外してニヤける口元を隠すA。
隠しきれていない耳はほんのりと熱を帯びた色をしていて、彼が照れていることは一目瞭然だった。
星海は、自分の知らない所で「努力」に気付いてくれた、唯一の人。
『光来』
星海「おう!なんだ?」
『“ありがとな”』
沢山の“ありがとう”が込められたそれは、優しい笑みと共に贈られた。
侑「……ちょっと、何いい雰囲気になっとんの」
『男の嫉妬は見苦しいぞー』←
星海「そうだそうだー」←
侑「左様でございますか!もういいですぅ!」←
俺先部屋戻っとる!とぷりぷり怒って帰っていった侑。
この後のご機嫌取り面倒くさそうだな、ちっせぇ男だよ、それ聞いたら更に面倒くさいぞ、違いねぇわ
そう会話をして朝食を楽しむ2人の間には、壁などもう無かった。
ー小話ー
『いい加減機嫌なおせよ』
侑「…じゃあチューして」←
『しない』←
侑「ふんだ!もう知らん!」←
『(面倒くさ)』←
5歳児に苦労したAだった。
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青めがね エレン(プロフ) - SALAさん» すぐに訂正させて頂きました!今後とも宜しくお願い致します!! (2020年8月9日 20時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - SALAさん» ご指摘ありがとうございます!そこの所自分わからなくて調べたんですけど如何せん頭が悪くて…( ´;ω;` )嬉しいです!これで安心できる〜!(笑) 本当にありがとうございます!これからも宜しくお願い致します!!(これからも間違えていたらお願い致します<(_ _)>) (2020年8月9日 20時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
SALA(プロフ) - 訂正失礼いたしました! (2020年8月9日 20時) (レス) id: 74892cdce0 (このIDを非表示/違反報告)
SALA(プロフ) - この作品大好きなので頑張って下さい!…失礼ながら訂正させていただきますが414話の「通称インターハイ」は正しくは「全中」でございます。ちなみに言いますと、高校の全国大会をインターハイ(インハイ)、大学の全国大会をインターカレッジ(インカレ)と言います。 (2020年8月9日 20時) (レス) id: 74892cdce0 (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - yukaさん» 嬉しすぎてハゲましたよ?一番面白いとか…あ、とりあえず昇天しますね!←これからも面白いって思えて貰えるよう頑張ります!宜しくお願いします!! (2020年7月31日 2時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青めがね エレン | 作成日時:2020年5月4日 1時