コート場の帝王 １１【○○○！！】

帝王 403 ページ3

武田「はい、まだ終わってませんよ！」




先程のようにパンっと一つ手を打つ武田


騒ぎを沈めさす音に、烏合の衆であった全員が口を閉ざす






武田「A君は今回、向こう側が行う満２０歳以下のトライアウトを受けないかとお声をかけられました」





“リオン・ネーロ”が新メンバー加入という、最高峰でバレーボールができるチャンスに、世界中の満２０歳以下のバレーボール選手たちが食い付いた




しかしその挑戦権は誰しも与えられるものでは無い


まず書類選考で厳選され、実際にトライアウトを受けれる者はほんのひと握りの実力者達


そんな中、自分よりも年上の…ましてや身長も体格も恵まれた選手だらけの戦いにAは呼ばれたのだ






『…でもリオン・ネーロって日本人の選手いませんよね？どうしてオレが…』

武田「えぇ。トライアウトには何人かの日本人選手も挑戦しましたが、結局誰も受かりませんでした」






日本人に立ちはだかったのは、やはり“高さ”の壁だった


国内でどんなに凄いと称えられた選手も、世界の高さには足元にも及ばなかった


そのため日本人は受からなかったし、声をかけられるのなんて異例なこと







武田「…A君、君は本当に神様に愛されていますね」

『？』


武田「このチームの監督さんがたまたま日本にいらしていたんです。そして、春高予選の決勝もまたたまたま会場で見ていたんです」


烏野「「！」」







運も実力のうち、とはまさにこのこと

いや、彼に至っては自分の力でその運を手繰り寄せているようにも思える


何が言いたいか


それは、武田の言うように彼は「神に愛されている」ということ








日向「てことはAさんをスカウトしたって事ですか！」

菅原「まぁ大まかに言うとそうだよね」

武田「A君のトライアウトも12月頭にイタリアで3日間行われます」




それと、と続ける武田に皆視線を集める




武田「A君にはイタリアに着いてくる専属コーチがいます。その方はユース合宿に参加していますので、そこで落ち合うようにとの事です｣

『はい』

武田｢調整も兼ねて2日間ユースに参加してからイタリアに出発するようですよ」

『じゃあ数日一緒だな影山』

影山「！はいっ」







トライアウトは行き帰り合わせて4泊5日


その前にJAPAN所属のコーチと会うため、2日間ユース合宿に参加という形となった


合計、6泊7日




合宿にAも来ると知った影山は頬を綻ばせた

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