帝王 148 ページ28
赤葦「な、して…」
口付けを落とされた額を隠す
その数秒後、赤葦は耳まで赤くして口をわなわなと震わせる
『なにって…ごほーび？』
赤葦「は、///」
え、これがご褒美？
想像以上のことが返ってきて心臓が破裂寸前
ぁ、…あ…と言葉にならず口を開閉するだけ
今の俺、相当アホ面だろうな
赤葦「もう無理…、///」
『…だめ』
赤葦「…！？」
額を隠す腕を上にあげ、その合間から顔を覗きこませる
咄嗟に抵抗しようも手首は腕で固定されているので何も出来ない
黄金比に整った綺麗な顔が目の前で微笑まれる
『ちゃんと見せてよ』
赤葦「っ///」
2人きりの夜の教室
金色に淡く照らされる中、そっと目を閉じ互いに近づく
ふわりと夏の風を含んだカーテンが2人を隠した。
・
「(ジャーーッ)」
枕投げ大会も終わり、もう就寝時間
黒髪の美しい青年は御手洗に居た
手を石鹸で洗い、流し終えたらハンカチで拭く
その面は勿論中に折り畳んで仕舞う
パッパと払って服で拭うような事は絶対にしない
『…』
ふと鏡に写った自分と目が合った
相も変わらずの仏頂面
鬼学の先輩らに「腹立つんだよ！」と嫌われた顔
『…なぁ、オレは誰なんだよ』
過去(中学)の自分か、現在(高校)の自分か
“勝つ為に必要なオレはどっちなんだ”
…そんなこと聞いたって答えてくれるはずも無い
そこに居るのは紛れもなく自分で、何やってんだかと自笑する
早く教室帰って寝よう、そう背を向けた時だった
「オレはお前だよ」
『ッ！？』
変声期を迎える前の少し高く冷めた声
その声にバッと振り返れば、そこには気味の悪い能面を着けた「中学の自分」がいた
何も映さない、光も入らない、赤黒い血のような瞳
ガラスの破片を浴びたあの写真の少年
「カッコイイ異名だね【コート場の帝王】」
「でもその意味は残酷だ」
「仲間に見捨てられた可哀想なオレ」
「愛するバレーボールを壊された可哀想なオレ」
「でも誰よりも、何よりも、強くなってしまったね」
小さく薄い唇から紡がれる言葉は虚偽か、本心か
「ねぇ、A」
“答えはわかってるんじゃないの？”
両端の口角を不気味に吊り上げた少年は「怪物」だった。
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青めがね エレン(プロフ) - 麗さん» ご指摘ありがとうございます！すぐに直しました！ (2020年9月1日 19時) (
レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - テストの結果の右と左逆ではないでしょうか？ (2020年8月29日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - ゆうさん» 不覚でした…！もっと絡ませたいと思います…！！！ (2018年8月2日 2時) (レス) id: f25462aad7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 及川さんが最近出ていない、、、だと？！ (2018年8月1日 23時) (レス) id: ab32ce7f46 (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン - いつきさん» 剣道仲間同士、よろしくお願いしますっ!『剣道仲間出来て良かったな。』うんっ!今なら某触手アニメの先生に勝てそう!!← (2016年2月21日 19時) (レス) id: 4cf2475332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青めがね エレン
| 作成日時：2015年11月22日 16時
