帝王 番外編3 ページ18
結局、角を曲がって見えなくなるまでこちらに手を振り続けていた黄瀬
純朴で憎めない性格なのだろうなとわかる
それを微笑ましく眺めているとクイッと袖を引かれた
『ん?』
赤司「…これで邪魔者はいなくなりましたね」
ニコッと綺麗な笑顔で見上げられる
しかし、その笑みとは想像もつかない、仲間を「邪魔者」呼ばわりする赤司
無意識にAは目をスっと細めた
『…お前、オレの事知ってるんだったな』
赤司「えぇ」
『やってる競技違うし接点ないだろ』
なんで?
そう問うた黒髪の美青年に赤司は笑みを絶やさない
まるで貼り付けたようなそれに、胸に何か引っかかるものを覚えた
…あ、似ているんだ
その能面のような顔は自分の中学生の時のようで
言ってしまえば人間らしさの欠片もない、「虚無」という淋しさを必死に取り繕うとするそれ
Aは彼に自然と既視感を感じていた
赤司「同じ球技であるバレーボールを理解しておいても良いと思いましてね」
『…ふぅん』
赤司「帝人 Aさん、貴方には僕と似た何かを感じます」
驚いた、彼も自分と同じように互いに重なる部分があると感じていたとは
何故、Aの事を赤司が知っているのかはわかったが、謎は更に増えて普通の者なら頭が混乱する
しかし相手は完全無欠の鬼才、帝人 A
そう簡単に赤司のペースには呑まれない
『オレも、お前とは何か似てるモン持ってると思ったよ』
赤司「ふふっ…それは光栄です」
『思ってもねぇ癖に』
赤司「本心ですよ?」
腹の探り合い
同族嫌悪、いやそれとは違うのだが、互いに互いの本心を疑い探っている感じだ
超高度な駆け引きが会話の中で行われている様なのだが、申し訳ない。作者にはわからん。←
もう少し砕けた風に喋って欲しい←
『…はぁ、やめだやめ』
赤司「?」
『お前猫被んなよ』
可愛くねぇ、と洩らすAは呆れたようにため息をつく
先程の黄色の髪色を持つ純粋な少年の後な事もあり、中学生離れした赤司との会話にはほとほと疲れる
赤司「可愛く…ない」
『おん』
赤司「僕は男ですよ、当たり前です」
『それでも可愛くねぇの』
赤司「…」
今までは意気揚々と言い返してきたが、突然押し黙って口を紡ぐ赤髪の少年
口を開けば中学生らしさが無いので、真一文字に閉ざした今はそれこそ「可愛げ」があった
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青めがね エレン(プロフ) - みたらしだんごさん» コメントありがとうございます!!個人的にも佐久早君との制服おディズは書きたかったので是非書かせて頂きたいと思います!これからもよろしくお願い致します!( ˘˘)* (2020年10月9日 16時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
みたらしだんご - ありがとうございます!待ってます!あと、大変図々しいと思うんですがもう一ついいですかね...?第12章の585話の佐久早との制服ディズニーの話見たいです...!二つもすみません。主様のペースで大丈夫なので!よろしくお願いします! (2020年10月5日 22時) (レス) id: 94aeb4ce2e (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン(プロフ) - みたらしだんごさん» コメントありがとうございます!是非書かせて頂きますね!!続きは13章の方になると思うのですが、これからもどうぞ宜しくお願い致します(*^ω^*) (2020年9月26日 0時) (レス) id: 1d378f5d2b (このIDを非表示/違反報告)
みたらしだんご - ここへのコメントでいいですかね?新しく編集された黒バス絡みの番外編の続き見たいです!よろしくお願いします!あと、この作品大好きなのでこれからも楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2020年9月20日 12時) (レス) id: 94aeb4ce2e (このIDを非表示/違反報告)
青めがね エレン - 夜鬼 神羅さん» いい奥様だなんて、そんな…『お前に言ってねぇだろ。』帝人くん、ボクを拾ってくれる人だっているんだからね?『寝言は寝て言え。』一変土に還れ、帝人。← (2017年2月26日 17時) (レス) id: 8912f5d452 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青めがね エレン | 作成日時:2015年12月29日 11時