コート場の帝王 ６【○○○！！】

帝王 201 ページ11

ヨダレを垂らす大柄の男子高校生たち

その目の前には鉄板の上で踊る肉



先生の話も寝耳に水で、お預けを食らう動物のように「よし」を静かに待つ







猫又「空腹にこそウマいものは微笑む、存分に筋肉を修復しなさい」



全員「「「〜〜！いただきますっ！！！」」」









さぁ、時は充ちた

食い物をかけた試合のゴングが高鳴る















・













『ははっ、それは変だろ』

赤葦「だよね」






鉄板を囲って、二人で美味そうに焼けた肉を食らう

赤葦とAは談笑しながら結構な量の食べ物を摂取していた






白福「帝人く〜ん」

『？はい』

赤葦「？」






すると梟谷マネージャー、白福 雪絵が近付いてきた

その手には先程まで大量のおにぎりが乗っていたが、今は手ぶらだ


急にどうしたのだろうか


ハテナを浮かべるAを横目に、何かを察した赤葦は「あっち行ってる」と離れていく






『…で、オレに何か用スか？』

白福「用事…ていうか、その…///」






歯切れの悪い白福、彼女に合わせてAは腰を屈めた

30cm以上あった身長差が縮まりその整った顔が間近となる





白福「っ、///」





深い椿色の瞳に射抜かれ体温が急上昇した気がする

恋する乙女の白福は裾をキュッと掴み、真っ赤になってしまった顔を隠すように俯いた






『大丈夫スか？』

白福「う、うんっ…大丈夫！」

『んで、用って？』

白福「あ…あの、…っ帝人君って彼女いますか？」





パッと意を決した表情で彼に聞く


これで彼女がいれば諦めないといけないし、いなければ候補になれるよう努力する

ドキンドキンとこれまで以上に心拍が早くなる






『いないです』

白福「！いないんだ…そっかっ」






“いない”、それは朗報だった



こんな恐ろしい程のイケメンに彼女がいない


彼を好む女子など周りに溢れんばかりにいるだろうし、その中にはモデルみたいに綺麗で可愛い女の子が沢山いるだろう



それでも「いない」という事は自分にも少しは希望があるということ







白福「あ…じゃあ、ありがとうっ」

『はい』






お礼を伝えるとすぐさま離れていく大きな背中

一目惚れをしてしまった彼をぼぅ…と眺める


すると、同じ梟谷学園のもう一人のマネージャー・雀田 かおりが近寄ってきた

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