雪男のお姫様 part7

上司の恋人　黄 ページ37

一般人設定。

side 黒


俺の上司、岩本さんには、すごい可愛くて健気な彼女さんがいるという噂がある。
顔は怖いけど優しい岩本さんに、心を奪われている女性社員は多くいるだろうが、その噂があるからか、誰も岩本さんに色目を使うようなことはしない。
何となく、本当にいるのだろうか。と気になって、それとなく聞いてみたことがある。

黒「岩本さんって、彼女いるんですか？」

黄「彼女？あぁ、いるけど。なに、ダメ？」

黒「いや、そういうわけじゃないっすけど、噂になってるから聞いてみました。」

黄「んはっ、噂になってんの？見せてやろうか、彼女。」
断る理由もないから頷けば、ほれ、と見せられた画面には、確かに可愛い男の人。
え、え？なんてパニックになりながら、岩本さんと画面を行き来する。

黄「そんな驚く？確かに意外かもな。でも、素直じゃないけどデレたときがめっちゃ可愛いの。普段もめっちゃ可愛いけどな。」
特に聞いた訳でもないのに、彼女さんの可愛いという情報がすらすら出てきて、その溺愛っぷりにまた驚く。

黒「岩本さんって、彼女さんのこと、大好きなんですね。てっきり亭主関白的な感じだと。」

黄「いや、好きなやつに冷たくするわけないじゃん。可愛いし。」
見たこともないくらいにデレデレな岩本さんは、なんだか少し可愛らしい。
いいなぁ。そんなに好きな人がいるとか、羨ましい。

それから、昼食のときに彼女さんの話、たまたま一緒になったエレベーターでも、小さな声で彼女さんの話。
聞きすぎて、会ったこともないのに、どんなタイプの人でどういうものが好きなのか、めっちゃ知っているということになってしまった。
まぁでも、会社では俺にしか話せないことだろうし、なんか頼られてる感じがして嬉しいから、いつも話を聞いてしまう。

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