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「「「お邪魔しましたー」」」



上機嫌に帰っていった三人を見送り、Aが鍵を閉める。

先程まで騒々しかった部屋がしんっと静まり返り、Aの『はぁ』と満足そうに吐かれた声がよく響く。

彼女がこちらに振り向く前に、

背中から腕を回し、小さな体をぎゅっと抱き締めた。



『きよくん、どうしたの?』



「……」



『きよくん……?』



返事をする代わりに、Aの頭に頬を擦り寄せると、『んふふ』と照れたような笑い声が聞こえてくる。



『……レトルトさん達、想像以上にいい人達だった』



「……そうかよ」



『うん、ゲームが苦手な私でも楽しめるように気を使ってくれてたみたいだし』



俺の腕をきゅっと握るAは穏やかな声で話していて。

きっと、今日の出来事を思い出しながら、その顔は微笑んでいるんだろう。

Aの頭の中にまだあの三人がいるのかと思うと、なんだか悔しくなって、抱き締める腕に思わず力が込もる。



「……レトさん達に会えて、随分と嬉しそうだったもんな」



『そりゃあ、嬉しいよ』



「……あそ」



自分から切り出しといて、Aの返答が気に入らないなんて我ながら理不尽。

そんな事は、わかってるけど。

今日はどうしても余裕がない。



『だってさ、』



"だって"……何だよ。



『キヨの面白さを引き出してくれる方達に会えたんだよ?そりゃあ嬉しくもなるよ』



「あっそ……って、ん?」



『キヨ単体の実況も好きだけどさ、三人との掛け合いも最高だし、最俺とはまた違ったキヨが見れるでしょ?だから、キヨにレトさんと牛沢さんとガッチマンさんは必要不可欠だって、改めて思ったよね』



予想の斜め上をいった回答に、思わず拍子抜けした。

要するに、Aがレトさん、うっしー、ガッチさんを好きなのは、"キヨの良さを引き出してくれるから"って事なのだろうか。

なんだよ……結局キヨの事しか考えてねぇって事か。

いつもだったら呆れ返ってしまうAのキヨ語りだけど、今日ばかりはあいつらに勝ったという優越感からちょっと嬉しいとも思ってしまう。

馬鹿みたいに嫉妬して損した、とは思うけど。

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設定タグ:実況者 , キヨ , TOP4   
作品ジャンル:恋愛
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あお(プロフ) - かむさん» コメントありがとうございます!とても励みになります〜!きまぐれ更新ですが、お付き合いいただければ幸いです! (2022年5月9日 0時) (レス) id: 35302002c7 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - コメント失礼します!投稿お疲れ様です!このお話、めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2022年5月9日 0時) (レス) @page15 id: 91de7e5fbe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あお | 作成日時:2022年3月11日 10時

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