5.キヨとTOP4 ページ9
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リビングへと入ると、テレビを見ていたAが俺の方へと顔を向けた。
『着替えちゃって珍しい……どこか行くの？』
普段、スウェットで過ごしている俺がシャツに着替えているのが相当不思議なのか、目を見開きながら頭からつま先までを見る。
外着を着るとしたら、実写撮影か打ち合わせぐらいだから、確かに久しぶりの姿かもしれない。
「いや、出かけねぇけど……」
『じゃあ、なんで？』
「それは…………遊びに来んだよ」
『へっ？誰が？』
言い淀む俺に、Aは眉をひそめながら首を傾げる。
ここまで言いかけたんだから、俺もさっさと言ってしまえばいいのに。
なんか、躊躇うんだよな。色々と。
「あー……友達っていうか…………レトさん達が、家に来んだよ、今日」
『えっ？？！！』
名前を出した途端、Aの目が輝いた様に見える。
だから、言いたくなかったんだ。
『レトルトさんと牛沢さんとガッチマンさんが来るって事？！家に？！』
「……そう」
『ちょっと待って。突然の事すぎてパニックなんだけど。本当に待って。TOP4が揃うってこと？？この家に？？？？何それ贅沢な空間過ぎない？？？？？』
落ち着きなく目線を彷徨わせ、早口で驚きと喜びを表すAは、まさにオタクそのもの。
興奮状態になった彼女を宥めることは難しいから、とりあえず満足するまで言わせておく。
『えーめちゃめちゃ会いた……いけど、でも……実況撮るんなら私邪魔だよね？出かけた方がいい……？』
一通り騒ぎ倒した後、Aはやっと我に返ったようだ。
でも、口ではそう言いながらも目は正直で。
邪魔しちゃいけないとは思いながらも、会いたい気持ちが捨てきれていないのが手に取るようにわかる。
そんな彼女の様子に、一つ大きなため息が零れた。
「……いや、いいよ。ここにいて」
『えっ』
口を開け放したまま驚くAの口角が、みるみる上へとあがっていく。
本当に、Aほど顔に出る奴はいない。
『いいの……？』
「……うん」
俺とは対照的に手を上げて喜ぶAは、『オシャレしてくる！』と言い残しリビングから出ていってしまった。
一人その場へと取り残された俺は、もう一度ため息。
Aのたいそう嬉しそうな反応も気に食わなかったが、
憂鬱な理由がもう一つあった。
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あお(プロフ) - かむさん» コメントありがとうございます！とても励みになります〜！きまぐれ更新ですが、お付き合いいただければ幸いです！ (2022年5月9日 0時) (
レス) id: 35302002c7 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - コメント失礼します！投稿お疲れ様です！このお話、めっちゃ好きです！更新頑張ってください！ (2022年5月9日 0時) (レス) @page15 id: 91de7e5fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2022年3月11日 10時
