3.キヨと誕生日 ページ4
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二人で肩を並べてシンクの前へと立つ。
Aがスポンジで皿を洗って、俺が水で流して水切り台へと並べていく。
この作業にもだいぶ慣れてきて、手際良く流れるように行われていた。
「あ、そういえば、誕生日プレゼント何がいい？」
『んー……なんだろうな』
まるで今思い出したかのようにAに切り出したけど、実はずっと言うタイミングを伺っていた。
Aの欲しい物を探ってサプライズでも出来たらかっこいいんだけど、直接聞いてしまう所が俺らしくもあり、可愛いところだと自負している。
暫く皿を洗う手を止め、考える仕草をしていたAは、何かを思いついたように『あっ』と声を上げた。
『プレゼントってさ……何でもいいの？』
「まぁ、うん」
『あーでも……流石にこれは怒られちゃうかも……』
既に泡立っている皿を必要以上に擦るAは、何だか言いづらそうな様子。
もしかしたら、すげぇ高いもんが欲しいとか？
Aの為に貯金してる所もあるから、何でも買ってやるつもりではいるけど。
あ、でも、ペットだったら要検討ってところだな。
「とりあえず言ってみろって」
頭の中で推測をしながら答えを急かすと、まだ言おうか迷ってる顔をしながらも、Aはやっと口を開く。
『非常に言いづらいんだけど……』
「うん」
『キヨが……実況してる所を見てみたいなって』
「…………へっ？」
予想の斜め上をいった回答に、思わず間抜けな声が漏れた。
何だか拍子抜けしたというか、呆気に取られたというか。
とにかく"開いた口が塞がらない"とは、まさにこの事。
『こんなのダメだよね……ほかの視聴者さんに怒られちゃうもんね……』
一方のAは、言ったことを後悔している。
……てか、"怒られちゃう"って「俺に」じゃなくて、「視聴者に」かよ。
少々細かい部分が気になるところだが、今考えるべきはそこじゃない。
正直、実況を他人に見られるのは気が引ける。
それが身内であればある程、煩くて暴君な"キヨ"を演じている所を見られたくないというか。
でも、"プレゼントは何でもいい"と言ってしまった手前、断りずらいのも事実。
それに……
「…………いいよ」
『本当に……？？』
「うん」
『やっっったぁ！！！』
Aが目を輝かせて喜んでくれるなら、つまらないプライドなんて捨ててしまおうって。
そう考えてしまう俺は、つくづくAに甘い。
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あお(プロフ) - かむさん» コメントありがとうございます！とても励みになります〜！きまぐれ更新ですが、お付き合いいただければ幸いです！ (2022年5月9日 0時) (
レス) id: 35302002c7 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - コメント失礼します！投稿お疲れ様です！このお話、めっちゃ好きです！更新頑張ってください！ (2022年5月9日 0時) (レス) @page15 id: 91de7e5fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2022年3月11日 10時
