6.きよくんと出会い ページ15
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『今日ね！ナオちゃんがカフェに連れてってくれて、そこのガレットが美味しかったの！』
「ガレットって何？」
『そば粉の生地の上に卵とかチーズとか乗ってるの。今度きよくんも一緒に行こ！』
「おー」
夕飯を挟んで俺の向かいに座るAは、今日の出来事を楽しそうに語っている。
話の中に出てきた"ナオちゃん"とは、Aの同僚の事。
毎日Aの話を聞いているうちに、彼女の会社のメンバーは何人か覚えてしまった。
もちろん、顔は知らねぇけど。
普段から変わり映えしない日々を送る俺に対して、働いているAの毎日は目まぐるしい。
俺の知らない所でAが何をしていたのか。
それを彼女の口から聞く事が、日課でもあり楽しみでもあった。
何より、楽しそうに話すAが可愛いって言うのが一番大きいけど。
大皿に乗った野菜炒めをつまむAの話題は、帰り道に見た野良猫の話へと変わっていた。
頬を緩ませながら話すAを眺めながら、白米を口に運ぶ。
茶碗を机に置いた手にふっと視線を移すと、薬指には指輪が光っていて。
話が一区切りついてお茶を飲むAの指にも、2回りサイズの違う同じ種類の指輪。
電気の明かりの元で、より一層輝いているように見える。
「本当に、」
『ん？』
「本当に結婚したんだな、俺たち」
Aはコップを傾けたまま瞬きを繰り返す。
暫くして、コップを口から離したAは、見開いていた目を細めた。
『うん、そうだよ』
俺の左手をじっと見つめる彼女の、穏やかな笑顔。
その顔を眺めていると、頭を駆け巡ったのはAとの出会いの記憶だった───────
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あお(プロフ) - かむさん» コメントありがとうございます！とても励みになります〜！きまぐれ更新ですが、お付き合いいただければ幸いです！ (2022年5月9日 0時) (
レス) id: 35302002c7 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - コメント失礼します！投稿お疲れ様です！このお話、めっちゃ好きです！更新頑張ってください！ (2022年5月9日 0時) (レス) @page15 id: 91de7e5fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2022年3月11日 10時
