【実況者】手を繋いで帰ろう【uszw】 (ページ27)

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15話今日の献立ページ27

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寝ては起きてを繰り返していたら、時刻は朝の9時になっていた。

大して疲れの取れていない体を無理やり起こし、Aのいるリビングへと向かう。

『あ、おはよ』

洗濯カゴを抱えているAが俺に気が付く。

その目は、少しだけ赤く腫れていた。

「はよ」

昨日の出来事が後を引き、無意識に目を逸らしていた。

そして目に付いたのは、ラップがかけられた俺用の朝食。

『朝ご飯温め直すね』

「いいって、自分でやるよ」

ベランダからこちらへ足を向けたAが、『でも……わかった』と洗濯を再開する。

あ……突き放すように聞こえたかな……

すぐに発言を訂正したくなった。

昨日の一件を引きずりすぎてる気もするけど、もっと誤解されない言い方はあったはずだ。

と、学習しない自分にもやもやしながら、ベーコンエッグを電子レンジへといれる。

続けてコンロに火をつけると、徐々に気泡が増えるコンソメスープを暫く眺めた。

『そういえばスーパー行こうと思ってるんだけど、食べたいものあるー？』

背中越しから聞こえる、洗濯物を伸ばす音とAの声。

「んーなんだろうな」

その声を合図に、食べたいものを考えながらキッチンを後にした。

Aの隣に並んで、洗濯カゴからパーカーを手に取る。

勢いよく伸ばしてから差し出すと、目の前には固まったままのAがいた。

「はい、Aはハンガーにかけてって」

『えっ、うん、ありがと』

なんだか驚いた様子のAだったけど、受け取った後はすぐに手を動かし始める。

「で、なんだっけ、食いたいもんだっけ？」

『うん、そう』

流れ作業のように行われる洗濯。

2人の息が合ってきたところで、会話をする余裕もでてきた。

「あー……買い物しながら決めてもいい？」

『……ん？うっしーも一緒に来てくれるの？』

ハンガーを物干し竿に掛けたところで、Aの動きがピタッと止まる。

Aがこれでもかと目を丸くして信じられないって顔をするから、思わず吹き出してしまった。

「ふっ、最初からそのつもりだったけど？」

笑いながら「はい」と次の洗濯物を渡すと、受け取ったAの頬が緩む。

『へへっそっかぁ』

洗濯物で口元を隠しているけど、目元からも嬉しさが滲み出ていて。

こんなことで喜ぶなら、色んなところについてってやろうと思った。