ゆめならば、どうか。【🍎🍥🐑】 (ページ4)

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■ ページ4

*

「……え……？」

「人間がここに来るのなんてはじめてっすからねぇ、俺らもわかんねぇのよ」

「な、……なに、を」

「説明してやれよ、それじゃこの子もわかんねぇって」

驚いてびくりと肩が震えた。女の子のように見えたその人から、低い声がしたから。

「んー、俺めいちゃんね！」

「絶対そうじゃねぇよ？」

「えー？」

「……ま、危害加えたりとか一切しないんで、肩の力抜いてみなよ。触れるなって言うなら触れねぇし、もうちょっと離れた方が良ければそうしますから」

ね、と、顔を覗き込まれる。
気を抜けばするすると吸い込まれてしまいそうな赤い瞳。柔らかく、それでいて有無を言わさぬような声色に誘導され、少しだけ後退りをして、頷くことしかできない。ビリビリと痺れた指先を隠すように、自分の服を握りしめる。
じくじくと頭の奥がいたんだ気がした。

「俺があらき、こっちのピンク髪のがなるせで、こっちがめいちゃん。適当に呼んで」

あらき、と名乗った人がくるくると空中で指を回す。
すると、ジジ、とビデオテープのよう音をたてて、目の前に映像が流れ出した。大きなクリスマスツリーのイルミネーションと街頭。シャンシャンと流れるクリスマス気分のBGMは、記憶の限りの先程まで、私がいたところ。突然の光景に頭が追いつかず、口を閉じられない。さぞかし私は間抜けな顔をしているであろう。目の前に広がるそれは、まるで映画館のスクリーンを目の前に持ってきたようで、色鮮やかで、鮮明なもの。
彼は手のひらの上に現れたそれを私に見えやすいように腕ごと移動させて、指を指す。